［経済］簿記勘定科目一覧表（用語集）

伝票の起票方法の種類―５伝票制

５伝票制

５伝票制の定義・意味

５伝票制とは、伝票会計において、入金伝票、出金伝票、振替伝票に加え、仕入伝票、売上伝票という５種類の会計伝票を使用して、取引内容を記入する方法をいう。

この起票方法では、現金取引については、３伝票制と同様、現金の入金取引は入金伝票に、現金の出金取引は出金伝票に、それぞれ起票する。

そして、仕入取引（値引・返品・割戻を含む）は仕入伝票に、売上取引（値引・返品・割戻を含む）は売上伝票に、それぞれ起票する。

その他の取引を振替伝票に起票する。

５伝票制の位置づけ

５伝票制は、伝票を使って仕訳を行う伝票会計において、３伝票制と並ぶ、伝票の起票方法の一つである。

５伝票制の目的・趣旨・機能

商品の販売業では、商品の仕入れや売上げの取引が多発する。

そこで、３伝票制で使用する入金伝票、出金伝票、振替伝票に加えて、仕入と売上の取引については、特に仕入伝票、売上伝票を用いて記録する５伝票制が採用されることも多い。

会計・経理処理

基本的な簿記の流れ

仕訳帳を用いる場合の簿記は、「取引→仕訳帳→総勘定元帳」という流れになるが、５伝票制では次のようになる。

取引 現金の入金取引 現金の出金取引 仕入取引 売上取引 上記以外の取引

→ → →

入金伝票 出金伝票 仕入伝票 売上伝票 振替伝票

→

総勘定元帳

５伝票制特有の会計処理方法

５伝票制では、掛以外の仕入取引と売上取引、例えば、現金、当座、手形などによる仕入・売上取引については独特の処理がなされる。