勘定科目全書として勘定科目を体系的に分類し、その取扱い・処理を解説・説明しています。仕訳の方法・仕方、会計ソフト(弥生会計などパソコン会計)など経理実務のわかりやすいマニュアルです。勘定科目内訳明細書の書き方・作成や青色申告など確定申告のための帳簿のつけ方から日商簿記・簿記検定試験(2級・3級)のための便覧として、辞書・辞典・事典代わりにお役立て下さい。

  1. ホーム
  2. 勘定科目一覧
  3. 有価証券
  4. or
  5. 有価証券
  6. 有価証券

有価証券

有価証券とは

有価証券の定義・意味

一般に有価証券には小切手手形貨物引換証、株券、債券などがあるが、簿記上、有価証券として取り扱われるのは、株券と債券(国債地方債社債)のみである。

 

有価証券の範囲・具体例

金融商品取引

有価証券の範囲については、金融商品取引(旧名称 証券取引)で定められている。

同法では、例えば、次のようなものがあげられている(第2条)。

 

その他の勘定科目との関係

小切手

通貨代用証券として、現金勘定で処理をする。

 

手形

受取手形支払手形勘定で処理をする。

 

貨物引換証

仕入勘定で処理をする。

 

有価証券の分類・種類

有価証券会計処理については、「金融商品に関する会計基準」において定められている。

これによれば、有価証券はその保有目的により次の4つに分類され、その取扱いがそれぞれ異なってくる。

  1. 売買目的有価証券
  2. 満期保有目的債権
  3. 子会社株式関連会社株式
  4. その他有価証券

ただし、実際に使用される勘定科目名は、この4つの区分に対応しているとは限らないので、注意すること(会社によりその処理は異なる)。

    

 

有価証券財務諸表における表示区分と表示科目

売買目的有価証券の場合

貸借対照表資産流動資産有価証券

 

満期保有目的債権 子会社株式または関連会社株式の場合

貸借対照表資産固定資産投資その他の資産投資有価証券など

 

 

有価証券会計・経理処理

有価証券の評価基準

有価証券は、その保有目的により評価方法が異なるが、原則としては時価評価とされている。

原則
  1. 売買目的有価証券時価により評価する。
  2. 満期保有目的債権償却原価で評価する。
  3. 子会社株式・関連会社株式取得原価で評価する。
  4. その他有価証券時価により評価する。

 

例外

取得原価で評価する有価証券であっても、時価あるいは実質価額が著しく下落し回復の見込みがない場合は、時価で評価する。

強制評価減

 

有価証券の取得・購入

取得原価主義

有価証券の売買は、購入時の時価で行う(取得原価主義)。

また、有価証券は証券会社を経由して購入するため、購入時には証券会社に買入手数料を支払うことになるが、有価証券取得原価は、購入に要した全ての金額をいう。

つまり、以下のようになる。

取得原価取得価額)=購入代金+付随費用(手数料など)

 

購入代価

購入代価は次の算式により計算する。

株式の場合

株式の購入代価=1株の購入原価×購入株式数

 

債権の場合

債権の購入代価=額面金額×購入単価/@100円

 

売買目的有価証券の売却

売買目的有価証券を売却した場合は、帳簿価額と売却価額との差額を、売買目的有価証券売却益または売買目的有価証券売却損勘定で処理をする。

 

この場合、同一銘柄の株式の一部を売却するときなどには、売却部分に対する原価計算が必要となるが、この払出価額の計算方法は、総平均法または移動平均法による。

 

有価証券勘定の仕訳例(帳簿記入・記帳法)

株式を売買目的で取得した場合
借方科目 金額 貸方科目 金額
売買目的有価証券
××××
現金
××××

※「売買目的有価証券」は単に「有価証券」としても可

 

株式の配当や公社債の利息を受け取った場合

株式の配当や公社債の利息を受け取る場合には、所得税や住民税源泉徴収される。

そして、この徴収額は法人税住民税の確定申告の際、税額から控除することができるので、受取配当金受取利息と相殺せず、仮払い税金勘定などを使用し、別途管理しておいた方が便利である。

参照 →仮払税金

 

 

有価証券勘定の実務

日商簿記3級では有価証券はすべて売買目的で取得したものとして処理されるが、一般の会社では「その他有価証券」(投資有価証券)と分類されることが多い。

なお、証券会社などでは売買目的有価証券勘定が使用されることが多い。

 

 

有価証券決算整理仕訳

有価証券を購入したときはその取得原価で評価される(取得原価主義)ため、決算時には売買目的有価証券評価益または売買目的有価証券評価損勘定を用いて、時価により評価し直す(評価替え)。

参照 →有価証券の評価替

 

時価取得原価が利益であるが、これにより「投資→リターン」のサイクルにおける利益(リターン-投資)が分かる。