有価証券
有価証券とは
有価証券の定義・意味
一般に有価証券には小切手、手形、貨物引換証、株券、債券などがあるが、簿記上、有価証券として取り扱われるのは、株券と債券(国債・地方債・社債)のみ。
有価証券の範囲・具体例
金融商品取引法
有価証券の範囲については、金融商品取引法(旧名称 証券取引法)で定められている。
同法では、例えば、次のようなものがあげられている(第2条)。
- 国債証券
- 地方債証券
- 特別の法律により法人の発行する債券
- 社債券
- 特別の法律により設立された法人(日本銀行など)の発行する出資証券
- 優先出資証券又は新優先出資引受権を表示する証券
- 株券又は新株予約権証券
- 投資信託及び投資法人に関する法律 (昭和二十六年法律第百九十八号)に規定する投資信託又は外国投資信託の受益証券
- 投資信託及び投資法人に関する法律 に規定する投資証券若しくは投資法人債券又は外国投資証券
- 貸付信託の受益証券
- 資産の流動化に関する法律 に規定する特定目的信託の受益証券
- 信託法 (平成十八年法律第百八号)に規定する受益証券発行信託の受益証券
その他の勘定科目との関係
小切手
手形
貨物引換証
仕入勘定で処理をする。
有価証券の分類・種類
有価証券の会計処理については、「金融商品に関する会計基準」において定められている。
これによれば、有価証券はその保有目的により次の4つに分類され、その取扱いがそれぞれ異なってくる。
ただし、実際に使用される勘定科目名は、この4つの区分に対応しているとは限らないので、注意すること(会社によりその処理は異なる)。
売買目的有価証券
値上がり益を期待して売買目的で取得・保有する有価証券で、1年以内に期限が到来するもの。
なお、「有価証券」という名称が使用される場合もある。
満期保有目的債権
利息収入を得るために満期まで保有する有価証券。
子会社株式・関連会社株式
企業支配のために保有する株式。
子会社株式・関連会社株式とは、有価証券をその保有目的により分類する場合の名称なので、会計処理上は、「関係会社株式」という名称が使用される。
その他有価証券
「その他有価証券」とは、有価証券をその保有目的により分類する場合の名称なので、会計処理上は、「投資有価証券」という名称が使用される。
合資会社・合同会社の出資など、上記区分に含まれない有価証券がこれに該当する。
有価証券の財務諸表における表示区分と表示科目
売買目的有価証券の場合
貸借対照表>資産>固定資産>投資その他の資産>投資有価証券など
有価証券の会計・経理処理
有価証券の評価
原則
例外
取得原価で評価する有価証券であっても、時価あるいは実質価額が著しく下落し回復の見込みがない場合は、時価で評価する。
有価証券の取得・購入
取得原価主義
また、有価証券は証券会社を経由して購入するため、購入時には証券会社に買入手数料を支払うことになるが、有価証券の取得原価は、購入に要した全ての金額をいう。
つまり、以下のようになる。
取得原価(取得価額)=購入代金+付随費用(手数料など)
購入代価
購入代価は次の算式により計算する。
株式の場合
株式の購入代価=1株の購入原価×購入株式数
債権の場合
債権の購入代価=額面金額×購入単価/@100円
売買目的有価証券の売却
売買目的有価証券を売却した場合は、帳簿価額と売却価額との差額を、売買目的有価証券売却益または売買目的有価証券売却損勘定で処理をする。
この場合、同一銘柄の株式の一部を売却するときなどには、売却部分に対する原価計算が必要となるが、この払出価額の計算方法は、総平均法または移動平均法による。
有価証券勘定の仕訳例(帳簿記入・記帳法)
株式を売買目的で取得した場合
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 売買目的有価証券 | ×××× | 現金 | ×××× |
株式の配当や公社債の利息を受け取った場合
株式の配当や公社債の利息を受け取る場合には、所得税や住民税が源泉徴収される。
そして、この徴収額は法人税や住民税の確定申告の際、税額から控除することができるので、受取配当金や受取利息と相殺せず、仮払い税金勘定などを使用し、別途管理しておいた方が便利である。
参照 →仮払税金
有価証券勘定の実務
日商簿記3級では有価証券はすべて売買目的で取得したものとして処理されるが、一般の会社では「その他有価証券」(投資有価証券)と分類されることが多い。
なお、証券会社などでは売買目的有価証券勘定が使用されることが多い。
有価証券の決算整理仕訳
有価証券を購入したときはその取得原価で評価される(取得原価主義)ため、決算時には売買目的有価証券評価益または売買目的有価証券評価損勘定を用いて、時価により評価し直す(評価替え)。
参照 →有価証券の評価替
時価-取得原価が利益であるが、これにより「投資→リターン」のサイクルにおける利益(リターン-投資)が分かる。

