減価償却費
減価償却費とは
減価償却費勘定の定義・意味
減価償却(【depreciation】)とは、固定資産は価値が減少するため、その取得価額を各事業年度に規則的に費用として配分する会計処理であり、減価償却費はその費用化額である。
なお、減価償却を実施する資産を償却資産(減価償却資産)といい、具体的には建物、機械装置、車両運搬具、工具器具備品などがある。
これに対し、減価償却を実施しない資産を非償却資産といい、これには土地、借地権、建設仮勘定がある。
減価償却費とは、有形固定資産(土地、建設仮勘定を除く)、無形固定資産といった償却資産の減価償却費を処理するための勘定科目ということになる。
減価償却費の分類・種類
減価償却資産は、使用可能期間が1年未満のもの、または、1個もしくは1組の取得価額が10万円未満の少額減価償却資産と、それ以外の一般の減価償却資産とに分類できる。
そして、この少額減価償却資産については、税法により、事業の用に供した年度に費用計上することが認められている。
減価償却費と税法
減価償却費の計上は、本来その企業の任意で決められるものである(後述の任意償却制度)が、一般的には税制に則して計算される。
つまり、税法上、償却限度額に達するまでの金額が費用となり、限度額を超えて減価償却をしても費用とは認められない。
したがって、結局、償却限度額と同額の減価償却を実施することになる。
減価償却費の財務諸表における表示区分と表示科目
損益計算書>経常損益の部>営業損益の部>販売費及び一般管理費>減価償却費
減価償却費の3つの表示方法
減価償却費の表示には、貸倒引当金の表示の場合と同様、次の3つの方法がある。
- 科目別間接控除法
- 一括間接控除法
- 直接控除注記法
実務上では、手間を省くために、一般には一括間接控除法で記載される。
減価償却費勘定の会計・経理処理
通常、決算時に費用計上する(決算整理事項)。
また、税法上も減価償却を損金とするには減価償却費として損金処理する必要がある。
減価償却費の計上
減価償却資産の償却方法(減価償却費の算定・算出・計算方法)
減価償却の方法には、定額法、定率法、生産高比例法があるが、採用できる減価償却方法は、資産の種類によって規制されている。
減価償却の記帳方法
減価償却費勘定の仕訳例(帳簿記入・記帳法)
期末(決算時)の処理―決算整理仕訳
減価償却費勘定の実務
償却方法の届出
減価償却資産の償却方法については、選定した償却方法を記載した届出を、納税地の所轄税務署長に提出する必要がある。
なお、個人の場合は、法定償却で定額法のものが多いが、定率法の方が早期償却による節税効果が高いので、定率法が選択されることもよくある。
耐用年数
実務上、固定資産の耐用年数については、税法上の法定耐用年数が用いられることがほとんどである。
任意償却制度
法人の減価償却は、任意償却制度が採用されているので、赤字決算となる場合には、減価償却費を計上しないこともできる。
減価償却費勘定の見方
税法上から見た減価償却費
複式簿記という記帳方法では取引を以下の5つのグループに分類して集計する。
上記のうち資産に含まれる固定資産は、事業を行うために1年以上利用する資産をいう。
したがって、例えば営業用の自動車を買ったからといって勝手に別グループの費用(必要経費)にすることはできない。
つまり、税法上から見ると資産は必要経費として損金算入できないが、費用ならば損金算入が可能であるという大きな違いがある。
しかし、資産も原則として一括経費こそ認められていないが、数年(耐用年数)にわたって費用にすること(費用化)は認められている。
これが減価償却の制度である。
ただし、青色申告制度では、一定額を限度として資産であっても資産計上せずにすみその全額を必要経費として認めてくれるという特典がある(これは時限立法の形で制定されることが多い)。

