[経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)

勘定科目を体系的に分類し、仕訳の仕方等を解説した会計の実務的マニュアルです。


貸借対照表―資産―流動資産


流動資産とは 【current asset

流動資産の定義・意味など

流動資産(りゅうどうしさん)とは、貸借対照表区分表示のひとつで、営業循環の過程に含まれる資産(→正常営業循環基準)と利用・運用の期間が決算日の翌日から起算して1年以内の資産(→1年基準)をいう。

流動資産の位置づけ・体系(上位概念等)

資産

流動資産は資産のひとつである。

なお、貸借対照表上の資産は、一般に流動と固定に大別される。

この区別基準として、企業会計原則企業会計原則注解・注16)は次の2つを規定している。

  1. 正常営業循環基準営業循環基準
  2. 1年基準ワン・イヤー・ルール

企業会計原則注解
〔注16〕流動資産又は流動負債固定資産又は固定負債とを区別する基準について
受取手形売掛金前払金支払手形買掛金前受金等の当該企業の主目的たる営業取引により発生した債権及び債務は、流動資産又は流動負債に属するものとする。ただし、これらの債権のうち、破産債権、更正債権及びこれに準ずる債権で一年以内に回収されないことが明らかなものは、固定資産たる投資その他の資産に属するものとする。

商品製品半製品原材料仕掛品等のたな卸資産は、流動資産に属するものとし、企業がその営業目的を達成するために所有し、かつ、その加工若しくは売却を予定しない財貨固定資産に属するものとする。

ただし、期間損益計算を正しく行うためには、さらに繰延資産も考慮する必要がある。

そこで、企業会計原則などでは、資産流動資産固定資産繰延資産の3つに分類し、さらにそれぞれを細分化している。

  1. 流動資産
  2. 固定資産
    1. 有形固定資産
    2. 無形固定資産
    3. 投資その他の資産
  3. 繰延資産

企業会計原則
貸借対照表の区分)
 貸借対照表は、…、さらに資産の部を流動資産、固定資産及び繰延資産に、…区分しなければならない。

会社計算規則
資産の部の区分)
第七十四条  資産の部は、次に掲げる項目に区分しなければならない。この場合において、各項目(第二号に掲げる項目を除く。)は、適当な項目に細分しなければならない。
 流動資産
 固定資産
 繰延資産

流動資産の範囲・具体例

流動資産の範囲

前述したように、流動資産の範囲は正常営業循環基準1年基準により決せられる。

流動資産の具体例

流動資産は、一般に次の3つの種類に分類されるが、流動資産に属する科目表示科目勘定科目)としては次のようなものがある。

  1. 当座資産
  2. たな卸資産
  3. その他流動資産

企業会計原則
貸借対照表科目の分類)
(一)資産

A 現金預金市場性のある有価証券で一時的所有のもの、取引先との通常の商取引によって生じた受取手形売掛金等の債権、商品製品半製品原材料仕掛品等のたな卸資産及び期限が一年以内に到来する債権は、流動資産に属するものとする。
 前払費用で一年以内に費用となるものは、流動資産に属するものとする。   

会社計算規則
資産の部の区分)
第七十四条

 次の各号に掲げる資産は、当該各号に定めるものに属するものとする。
 次に掲げる資産 流動資産
 現金及び預金(一年内に期限の到来しない預金を除く。)
 受取手形(…)
 売掛金(…)
 所有権移転ファイナンス・リース取引におけるリース債権のうち、通常の取引に基づいて発生したもの(…)及び通常の取引以外の取引に基づいて発生したもので一年内に期限が到来するもの
 所有権移転外ファイナンス・リース取引におけるリース投資資産のうち、通常の取引に基づいて発生したもの(…)及び通常の取引以外の取引に基づいて発生したもので一年内に期限が到来するもの
 売買目的有価証券及び一年内に満期の到来する有価証券
 商品(…)
 製品副産物及び作業くず
 半製品(自製部分品を含む。)
 原料及び材料(…)
 仕掛品及び半成工事
 消耗品、消耗工具、器具及び備品その他の貯蔵品であって、相当な価額以上のもの
 前渡金(…)
 前払費用であって、一年内に費用となるべきもの
 未収収益
 次に掲げる繰延税金資産
(1) 流動資産に属する資産又は流動負債に属する負債に関連する繰延税金資産
(2) 特定の資産又は負債に関連しない繰延税金資産であって、一年内に取り崩されると認められるもの
 その他の資産であって、一年内に現金化することができると認められるもの

流動資産の決算等における位置づけ等

流動資産の財務諸表における区分表示表示科目

貸借対照表資産の部 > 流動資産



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