[経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)

勘定科目を体系的に分類し、仕訳の仕方等を解説した会計の実務的マニュアルです。


勘定科目―分類②―人名勘定(債権債務勘定)


人名勘定とは【personal account

人名勘定の定義・意味など

人名勘定(じんめいかんじょう)とは、取引の相手先(債権者・債務者)の人名を冠した勘定科目をいう。

人名勘定の別名・別称・通称など

債権債務勘定

人名勘定は債権債務勘定ともいう。

リトルトン 『会計発達史[増補版]』 同文館出版、2002年、46項など。

人名勘定の具体例

たとえば、仕入先がスミレ問屋である場合は、「スミレ問屋」勘定など。

『日商簿記3級 商業簿記 スピード攻略テキスト』 DAI-X出版、2004年、56項。

人名勘定と関係する概念

反対概念・対概念
非人名勘定

人名勘定の目的・役割・意義・機能・作用など

売掛金買掛金

人名勘定は、特に掛売買(掛売掛買)による債権(売掛金)・債務(買掛金)を処理するために用いられる。

すなわち、複数の取引先がある場合、売掛金買掛金勘定では取引先ごとの明細はわからない。

そこで、これを把握するために人名勘定を用いる。

ただし、人名勘定を用いると、取引先の数だけ勘定を設けることになり、記帳が煩雑になる。

したがって、通常は総勘定元帳売掛金買掛金勘定を設け、各取引先の明細は得意先元帳売掛金の場合)・仕入先元帳買掛金の場合)といった補助簿補助元帳)に記帳する方法がとられる。

『日商簿記3級 商業簿記 スピード攻略テキスト』 DAI-X出版、2004年、57項。日本経済新聞社 『会計用語辞典』 日本経済新聞出版社、1978年、106頁。

人名勘定の位置づけ・体系(上位概念等)

勘定科目

勘定科目は、複式簿記の発展過程からは次の3つに大別される。

  1. 人名勘定
  2. 非人名勘定
    1. 実在勘定実体勘定
    2. 名目勘定

…。「人名勘定」(personal account)と「非人名勘定」(impersonal account)という二分類、さらに、「非人名勘定」を「実在勘定」と「名目勘定」とに再分類するという本来的な勘定分類…

久野秀男 「「商品勘定」とは何だったのか」 『学習院大学 経済論集』第29巻第3,4号併合、1993年、287項。

また、次のように分類されることもある。

  1. 人名勘定(債権債務勘定)
  2. 商品勘定(非人名勘定)
  3. 資本主勘定
    1. 資本勘定
    2. 損益勘定

…、以下本章では、単純な勘定記入がいかにして体系的な資本主義簿記に発展していったのであるかその過程を推定して概説しよう。

債権債務勘定(人名勘定)に商品勘定(非人名勘定)が加わり、債権債務勘定と商品勘定にさらに資本主勘定資本費用勘定)が加わった。こうして複式簿記の骨組が完成された。その後、基本的要素は一つも加えられてきていない。

リトルトン 『会計発達史[増補版]』 同文館出版、2002年、46項。

複式簿記の生成史上、周知の様に「債権・債務」の増減・変動を記録する「人名勘定」に始まり、次いで「現金勘定」と「実名諸商品勘定」が登場し、やがて「資本主勘定費用勘定を含む)」の出現によってこの記帳システムが完成の域に達する。

久野秀男 「「商品勘定」とは何だったのか」 『学習院大学 経済論集』第29巻第3,4号併合、1993年、289項。



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