[経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)

勘定科目を体系的に分類し、仕訳の仕方等を解説した会計の実務的マニュアルです。


仮勘定―仮受金


(" 仮受金 "から複製)

仮受金とは

仮受金の定義・意味など

仮受金(かりうけきん)とは、取引の内容(勘定科目)や額が未確定な銭を受け取った場合に、それらが確定するまで一時的に使用する仮勘定をいう。

参考:『日商簿記3級 商業簿記 スピード攻略テキスト』 DAI-X出版、2004年、131項。

仮受金科目属性

負債

仮受金は後日銭やサービスの提供をしなければならない義務を表すので、負債である。

法人・個人の別

法人・個人

仮受金は法人・個人で使用される勘定科目である。

仮受金の範囲・具体例

仮受金勘定は、具体的には、出張先の従業員や得意先などから内容不明の送振込があった場合などに使用される。

仮受金の位置づけ・体系(上位概念等)

仮勘定

仮受金仮勘定のひとつである。

仮勘定には次のようなものがある。

他の勘定科目との関係

前受金

前受金も一時的な処理をするための勘定科目であるが、仮受金とは異なり、現金の受け入れの内容が明確な場合に使用される。

仮受金決算等における位置づけ等

仮受金財務諸表における区分表示表示科目

貸借対照表負債流動負債仮受金

区分表示
流動負債

仮受金は一時的な仮の勘定なので、決算時までには本来の勘定科目振り替えることが望ましい。

ただし、未精算のまま残ったものがある場合には、貸借対照表流動負債に属するものとして表示する。

企業会計原則注解
〔注16〕流動資産又は流動負債固定資産又は固定負債とを区別する基準について

 貸付金借入金差入保証金受入保証金、当該企業の主目的以外の取引によって発生した未収金未払金等の債権及び債務で、貸借対照表日の翌日から起算して一年以内に入金又は支払の期限が到来するものは、流動資産又は流動負債に属するものとし、…

表示科目
◯◯仮受金

仮受金貸借対照表に表示するには、◯◯仮受金(たとえば、「得意先仮受金」など)など、その性質を示す適当な科目で表示する。

企業会計原則
(二)負債
…。仮受金未決算等の勘定貸借対照表に記載するには、その性質を示す適当な科目で表示しなければならない。

ただし、その額が負債純資産の合計額の5%以下のものについてはその他流動負債として一括して記載することもできる。

実務上も独立の科目とはせず、他の少額の流動負債に含めて、その他流動負債として表示する場合が多い。

財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則
第五十条  前条第一項第十四号に掲げる項目に属する負債のうち、株主役員若しくは従業員からの短期借入金等の短期債務又はその他の負債で、その額が負債及び純資産の合計額の百分の五を超えるものについては、当該負債を示す名称を付した科目をもつて掲記しなければならない。

仮受金会計簿記経理上の取り扱い

会計処理方法

使用する勘定科目・記帳の仕方等

取引の内容(勘定科目)や額が未確定な銭を受け取ったときは、仮受金勘定貸方に記帳する。

そして、取引の内容(勘定科目)や額が確定したときは、仮受金勘定借方に記帳して確定した本来の勘定科目振り替える。

仮受金の注意点・注意事項

仮受金はあくまで一時的な仮勘定なので、できる限り決算時までには残高がなくなるようにする必要がある。

取引の具体例と仕訳の仕方

内容や額が未確定な入金があったとき
従業員からの入金

取引

出張中の従業員から内容不明の振込があった。

仕訳

借方科目
貸方科目
普通預金 ✕✕✕✕ 仮受金 ✕✕✕✕

取引先からの入金

取引

得意先から売掛金残高50万円に対して60万円の入金があった。

仕訳

借方科目
貸方科目
普通預金 60万 売掛金 50万
仮受金 10万

内容や額が確定したとき
従業員からの入金

取引

従業員が出張から戻り、振込額は売掛金の回収であることが判明した。

仕訳

借方科目
貸方科目
仮受金 ✕✕✕✕ 売掛金 ✕✕✕✕

取引先からの入金

取引

後日、取引先の入金差額は手付金と判明した。

仕訳

借方科目
貸方科目
仮受金 10万 前受金 10万

仮受金務・法・制上の取り扱い

消費税の課・非課・免・不課(対象外)の区分

不課税取引課税対象外)

仮受金自体の受取りは、消費税の対象外(不課税取引)である。



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