資本―株式の発行―分類―新株の発行(増資) - [経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)

[経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)

勘定科目を体系的に分類し、仕訳の仕方等を解説した会計の実務的マニュアルです。



資本―株式の発行―分類―新株の発行(増資)

新株の発行とは

新株の発行の定義・意味など

新株の発行(しんかぶのはっこう)とは、会社設立後、株主総会や取締役会等の決議により発行可能株式総数のうち未発行株式を発行して資本金を増加することをいう。

新株の発行の別名・別称・通称など

増資

新株の発行は資本金を増加することになるので、増資(ぞうし)とも呼ばれる。

新株の発行の位置づけ・体系(上位概念等)

株式の発行

株式会社設立に際しては、原則として発行可能株式総数の4分の1以上を発行しなければならない。

会社
発行可能株式総数の定め等)
第三十七条  …
 設立時発行株式の総数は、発行可能株式総数の四分の一を下ることができない。ただし、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。

そして、残りの未発行株式については、会社設立後、株主総会や取締役会等により必要に応じて随時発行すること(これを新株の発行または増資という)が認められている。

なお、この制度を授権資本制度という。

したがって、株式の発行には、次の2つの種類があることになる。

  1. 会社設立時の株式の発行
  2. 会社設立後の新株の発行(増資)

株式の交付

新株の発行は自己株式の処分とともに株式の交付のひとつとして位置づけられる。

なお、会社法では、自己株式の処分は新株の発行と同じように取り扱われている。

会社
(募集事項の決定)
第百九十九条  株式会社は、その発行する株式又はその処分する自己株式を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集株式(当該募集に応じてこれらの株式の引受けの申込みをした者に対して割り当てる株式をいう。以下この節において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。

新株の発行の方法

新株の発行には、次の3つの方法がある。

  1. 株主割当
  2. 第三者割当
  3. 公募

新株の発行の会計簿記経理上の取り扱い

会計処理方法

使用する勘定科目・記帳の仕方等
株式の申込期日または申込期間の翌日

新株式申込証拠金株式申込証拠金新株式払込金)・別段預金

会社設立時の株式の発行であっても、会社設立後の新株の発行(増資)であっても、株式を発行した場合の会計処理は基本的に同じである。

ただし、新株の発行を実際に行うには、まず株主株式の引受人)を募集する必要があるが、多くの会社では申込期日または申込期間を設け、株式の申込者に対して払込と同額の申込証拠手付金)を申込期日または申込期間内に払い込むことを求めるのが慣習となっている。

そして、その後、会社株式の割当てを行い、これにより申込者は引受人となるが、会社法により、引受人は払込期日(または払込期間を定めた場合は出資の履行をした日)に株主となるとされている。

株式の申込者 → (申込証拠)→(株式の割当て)→ 株式の引受人 → (払込期日等)→ 株主

会社
株主となる時期等)
第二百九条  募集株式の引受人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める日に、出資の履行をした募集株式株主となる。
 第百九十九条第一項第四号の期日を定めた場合 当該期日
 第百九十九条第一項第四号の期間を定めた場合 出資の履行をした日

したがって、払込(申込証拠)は、払込期日等の前日までは、法的にはまだ会社法が定める法定資本の性格を有していない。

そこで、資本金としての効力が発生する前の払込を処理するために、新株式申込証拠金(または株式申込証拠金新株式払込金勘定負債または資本)を用いる。

資本金勘定会社法が定める法定資本を処理するための勘定科目である。

具体的には、申込期日または申込期間の翌日に、株式の申込者が払い込んだ額を新株式申込証拠金勘定貸方に記帳するとともに別段預金勘定借方に記帳する。

この場合、別段預金勘定を使用するのは、払込は通常の預金とは異なり、会社が自由に使えるお金ではないからである。なお、別段預金とは通常の銀行預金とは異なり、会社が任意に引き出す等できない銀行預金をいう。

払込期日

資本金

払込期日等に引受人は株主となる(つまり、払込資本金となる)ので、新株式申込証拠金勘定から資本金勘定振り替え資本金に計上するとともに、別段預金普通預金勘定などへ振り替える。

つまり、払込期日等になると払込は有効な資本金となるので、資本金に計上するとともに、普通預金へと振り替えられて会社が自由に引き出せるようになるということである。

ただし、新株の発行(増資)の場合にも、会社設立時の株式の発行の場合と同じく、払込の1/2を超えない額は資本金として計上しないことができる。

したがって、払込の一部を資本金に計上しない場合は資本金勘定株式払込剰余金(または資本準備金勘定振り替えることになる。

資本金の計上の詳細については次のページなどを参照。

資本―株式の発行

取引の具体例と仕訳の仕方

株式の申込期日または申込期間の翌日

取引

増資にあたり、株式の申込期日の翌日に銀行から申込証拠入金連絡があった。

仕訳

借方科目
貸方科目
別段預金 ×××× 新株式申込証拠金 ××××

払込期日または払込期間を定めた場合は出資の履行をした日

取引

払込期日に別段預金普通預金振り替えた。なお、払込の一部は資本金に計上しない。

仕訳

借方科目
貸方科目
新株式申込証拠金 ×××× 資本金 ××××
株式払込剰余金 ××××
普通預金 ×××× 別段預金 ××××




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