財政政策―経済安定化―デフレ対策
デフレ対策
デフレ対策の具体例
デフレは経済全体の需要(消費と投資)が供給に比べて少ない状態が続くので起こる。
中野 剛志 『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』 ベストセラーズ、2019年、26項。
したがって、デフレ対策としては需要を拡大し、供給を抑制する必要がある。
中野 剛志 『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』 ベストセラーズ、2019年、48項。
需要の増加
財政赤字
財政赤字により需要を増加することができる。財政赤字は需要を拡大するデフレ対策である。
政府自身が財政支出を増やし、また、税収を減らすことは財政赤字を拡大するということで、これにより経済全体の需要を増加することができるからである。
参考:中野 剛志 『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』 ベストセラーズ、2019年、48-49項。
なお、金融政策では金融緩和により個人や企業が融資を受けやすくすることで需要を拡大できる。
中野 剛志 『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』 ベストセラーズ、2019年、49項。
政府の需要の増加
政府は自ら需要(消費と投資)を増やすことで経済全体の需要を増やすことができる。
たとえば、社会保障費や公共投資を拡大するなどして財政支出を拡大する。また、公務員など公共部門で働く人の数を増やす方法もある。要するに「大きな政府」にするということである。
参考:中野 剛志 『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』 ベストセラーズ、2019年、48項。
民間の需要の増加
民間の需要を増加するには政府は民間の消費と投資を促進する必要もある。そのためには減税が効果的である。たとえば、消費税は減税し、企業に対しても投資減税を行う。
中野 剛志 『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』 ベストセラーズ、2019年、48項。
供給の増加
デフレは供給過剰の状態なので、供給を抑制する政策もデフレ対策として効果的である。つまり、企業の生産性を向上させず、企業間の競争は抑制気味にすべきである。
具体的には次のような政策がある。
- 規制強化
- 国有化
- 労働者の保護
- 保護貿易
中野 剛志 『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』 ベストセラーズ、2019年、49-50項。
デフレ対策の歴史
ニュー・ディール政策
上記のようなデフレ対策が実施された例として最も有名なのは1930年代のアメリカのルーズヴェルト政権が実施したニュー・ディール政策である。
ニュー・ディール政策は公共投資などの政府支出を拡大させ、金融緩和を行っただけでなく、産業統制や価格規制の強化、労働者の保護も行った。
まさに需要拡大策と供給抑制策を実施したわけである。
中野 剛志 『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』 ベストセラーズ、2019年、51項。
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