金融政策―方向性―金融緩和
金融緩和とは
金融緩和の定義・意味・意義
金融緩和とは、市中に流通する資金・マネー(=マネーストック)を増やす方向の金融政策をいう。
金融緩和の位置づけ・体系(上位概念)
金融政策
中央銀行である日本銀行が行う金融政策は物価の安定と景気変動の調整等を目的とするが、これを実現するためにとられる金融政策の方向性には大別すると次の2つがある。
- 金融引締め
- 金融緩和
金融緩和の分類・種類
- 質的金融緩和…通常の金融緩和。買いオペレーションによる政策金利(具体的には短期金利である無担保コール翌日物)の引き下げを目標とした金融緩和
- 量的金融緩和…民間金融機関が日本銀行に保有している日銀当座預金残高を増やすことにより行われる金融緩和
- 量的・質的金融緩和...マネタリーベースを目標とした金融緩和
- ゼロ金利
なお、次のページを参照。
金融緩和の趣旨・目的・役割・機能
原則
金融緩和により、原則的・一般的には次のような効果が期待される。
1.景気変動の調整
金融緩和により金利が低下することで資金需要が喚起され、実体経済が活性化することが期待される。
2.物価上昇
例外―ゼロ金利
ゼロ金利になると、中央銀行はそれ以上の政策金利の引き下げによる金融緩和ができなくなる(金利を目標とした金融政策がとれなくなる)。
このため量的金融緩和などを実施するほかなくなる。
しかし、日銀はゼロ金利状況の2000年代に量的金融緩和により大量のハイパワードマネーを供給したが、そもそも資金需要がなかったため、その資金の多くは企業への貸出には向かわず(つまり、市中に流通することなく)、国債の購入に振り向けられるに終わった。
つまり、ゼロ金利のもとでは、ハイパワードマネーは物価に影響を与えられないばかりか、マネーストックにすら影響を与えることができなかった。
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