マクロ経済学―新自由主義
新自由主義とは
新自由主義の定義・意味など
新自由主義(しんじゆうしゅぎ)とは、古典的な自由放任主義やケインズ政策に基礎をおくのではなく、自由主義を再解釈する試みをいう。
有斐閣 『経済辞典(第3版)』。平凡社 『世界大百科事典』
補足
自由主義の中で「新自由主義」と名付けた理由は、現代の経済政策が必要だからである。
ただし、「新自由主義」という用語は歴史的経緯や学派の違いなどから、決定的な定義や統一された見解を見出すのは難しい。
新自由主義 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/新自由主義
新自由主義の論者
ケインズ批判派の経済学者
新自由主義の代表的な論者はハイエク、フリードマンらケインズ批判派の経済学者である。彼らはケインズ派の有効需要政策を批判し、国家は通貨供給量の調節だけを行って、市場経済をかく乱すべきでないと説く(マネタリズム)。
平凡社 『世界大百科事典』
新自由主義の具体例
新自由主義は1980年代にイギリスのサッチャー政権やアメリカのレーガン政権の政策にも影響を与えた。
サッチャー政権時のイギリスやレーガン政権時のアメリカは規制緩和、自由化、民営化、グローバル化を推し進め、金融を引き締め、小さな政府を目指した。
こうした政策が基づいているイデオロギーは新自由主義である。
また、累積債務問題に対処するメキシコ、ブラジルその他のラテン・アメリカ諸国などにおいて、IMF(国際通貨基金)・世界銀行の主導する構造調整計画を遂行するなかで市場原理にもとづく新自由主義政策への転換がすすめられている。
中野 剛志 『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』 ベストセラーズ、2019年、50-51項。平凡社 『世界大百科事典』。新自由主義 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/新自由主義
新自由主義への批判
現代貨幣理論
合成の誤謬
新自由主義は、個人や企業は経済合理的に行動するので、政府の積極的な民間介入に反対し、できる限り市場の自由な調節に問題を委ねようとする。
中野 剛志 『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』 ベストセラーズ、2019年、40項。三省堂 『スーパー大辞林』。岩波書店 『広辞苑 第六版』
確かに多くの個人や企業は経済合理的に行動するが、ここで問題になるのが合成の誤謬である。つまり、個々の経済合理的な行動の積み重ねが全体としては好ましくない結果をもたらす。
この合成の誤謬を回避するには個人や企業の行動を是正する必要があり、それこそが政府の役割である。個人や企業が合理的だからこそ政府介入が必要になる。
中野 剛志 『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』 ベストセラーズ、2019年、41項。
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