貨幣・通貨(お金・カネ・マネー)―指標―②通貨残高(マネーストック)(通貨供給量・マネーサプライ)
通貨残高とは 【money stock】
通貨残高の定義・意味・意義
通貨残高とは、(政府と金融機関以外の)民間部門(企業と個人など)が保有する現金通貨(currency)と預金通貨(deposit)をいう。
つまり、市中に流通している通貨・マネー(money)の合計・残高であり、民間経済主体の手元資金に相当するものである。
マネーストックともいう。
通貨残高と関係・関連する概念
対概念
ハイパワードマネー(マネタリーベース・ベースマネー)
通貨残高(マネーストック)の基礎となるハイパワードマネー(マネタリーベース・ベースマネー)は民間部門(企業と個人など)が保有する現金通貨と民間金融機関が保有する中央銀行預け金(法定準備預金)をいう。
通貨残高の構成内容・内訳
通貨の種類 | 指標 | |||
---|---|---|---|---|
現金通貨 | 日本銀行券(中央銀行券)、硬貨 | M1 | M2 | M2+CD |
預金通貨 | 要求払い預金(普通預金、当座預金、通知預金など) | |||
準通貨 | 定期性預金 | |||
CD | 譲渡性預金 |
通貨残高の指標
2008年4月以前
日本では、通貨残高をあらわす指標としては、「M2+CD」が代表的な指標であった。
2008年5月以後
「M3」が通貨残高をあらわす代表的指標となった。
通貨残高の経緯・沿革・歴史など
通貨供給量(マネーサプライ)
通貨残高は、従来、通貨供給量(マネーサプライ)と呼ばれていたが、2008年6月に通貨残高に名称が変更した。
通貨残高の位置づけ・体系
ハイパワードマネー(マネタリーベース・ベースマネー)との関係
民間金融機関(市中銀行)は、ハイパワードマネー(中央銀行が一番最初に発行したマネー)を基礎にして、預金準備率(支払準備率)制度により信用創造を行い、マネーを新たに作り出す。
そして、こうした信用創造の結果が、通貨残高となる。
通貨残高の特色・特徴
現代の通貨制度は、金または金貨という実体の裏づけがある金本位制から、金の準備量とは無関係に通貨を発行できる管理通貨制へと移行している。
この管理通貨制のもとでは、カネ(貨幣・通貨)は、実体のあるモノとは異なり、もはや単なる「取り決め(ルール)」「幻想」にすぎなくなる。
したがって、カネは、理論上は、モノのような制限がなく(モノの場合、増やせる量は有限である∵資源により制限される)、人為的にいくらでも増やすことが可能である。
通貨残高の経済における役割・機能
景気
物価
インフレ
一般的には、通貨残高が増えると、貨幣価値が下落してインフレの原因となるとされている。
通過残高のコントロール―金融政策と財政政策
次のページを参照。
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