市場経済―市場―競争の形態による分類―完全競争市場
完全競争市場とは 【perfectly competitive market】
完全競争市場の定義・意味・意義
完全競争市場とは、多数の売り手と買い手が存在することで完全な自由競争が行われている市場をいう。
ただし、完全競争市場は理論上の理想的な市場であり、現実には存在しない。
完全競争市場の位置づけ・体系
市場はそこで行われている競争の形態により次のように分類できる。
完全競争市場の特色・特徴
完全競争市場では多数の売り手と買い手が存在することで①誰もその価格を変更する影響力をもたず、需要と供給の法則が働くので(↔価格の下方硬直性)、②誰もが市場で決定した価格を目安(シグナル)にして行動する(→価格競争 ↔非価格競争)。
なお、完全競争市場においては、需要と供給の法則による価格の自動調節機能(市場メカニズム・市場機構)が働き、資源の最適配分(財・サービスの適正な配分)が実現される。
完全競争市場の経緯・沿革・歴史など
完全競争市場から不完全競争市場へ
市場経済は18世紀においては完全競争市場の理想に近づいていた。
しかし、自由競争は19世紀には資本の集積と集中をもたらし、大資本(大企業)を発生させた。
これにより、19世紀後半には自由競争に勝ち残った少数の大資本(大企業)により支配される不完全競争市場(独占市場・複占市場・寡占市場)が成立することになった。
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