市場経済―仕組み(しくみ・メカニズム)―市場の失敗
市場の失敗とは
市場の失敗の定義・意味・意義
市場の失敗とは、市場経済において、価格の自動調節機能(市場メカニズム)が作用せずに問題が生じることをいう。
市場の失敗の位置づけ・体系
市場経済・資本主義社会は、限られた資源の最適配分という大きな問題を価格という制度が内包する市場メカニズム=価格の自動調節機能にまかせて解決しようとするものである。
ただし、価格の自動調節機能にまかせておけば、社会経済がすべてうまくいうというわけではなく、市場が失敗する場合もある。
なお、市場の失敗に対しては、国家が市場に介入して対処する必要がある。
市場の失敗の具体例
市場の失敗は、次の3つに大別できる。
1.寡占市場・独占市場による価格の下方硬直性
完全競争市場ではなく寡占市場・独占市場といった不完全競争市場が成立すると、価格の自動調節機能は働かず、寡占価格・管理価格・独占価格が設定され、価格の下方硬直化が起こる。
2.外部不経済
ある経済主体の経済活動が、市場を介さず直接に、他の経済主体に不利益を与えることがある。
これを外部不経済といい、公害がその代表例である。
3.市場メカニズムでは解決できない社会問題
収益性のない財・サービス
企業は営利を目的とするので、収益性のない財・サービスは供給しない。
こうした財・サービスにあっては、需要があっても供給が困難ないしは不可能なため、そもそも市場自体が成立しにくい(しない)。
その他所得分配の不平等(格差)など
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