脱税
脱税とは
脱税の定義・意味・意義
脱税とは、不正な会計処理により、決算書(貸借対照表や損益計算書)の数字を減らして、納税額の一部または全部をのがれることをいう。
脱税と関係・関連する概念
類似概念
粉飾決算
粉飾決算と脱税とは、同じこと(=決算書の数字を不正に操作すること)の裏表(=数字を増やすのか、数字を減らすのか)である。
節税
脱税は違法だが、節税は合法(税法の範囲内)である(さらには、節税は権利である、とも)、といった言い方がされる場合がある。
しかし、両者の区別基準は、単に法律に違反しているか否かではない。
納税者の主観=善意・悪意がさらに問題となるからである。
つまり、法律に違反していても、善意であれば、脱税とは取り扱われない。
そして、この納税者個人の善意・悪意は、実務上は、その人の「主観的事情」に基づいた(を基礎とした)うえ、その行為が社会通念上相当であるか、具体的には、その行為を第三者(税務署の職員)に合理的に説明できるか否か(説明可能性)という基準で判断されている。
したがって、脱税と節税の区別基準は、結局、その行為を税務署に対して合理的に説明できるかどうか、によることになる。
脱税の方法・手段・仕方・手法
脱税には、大別すると、次の2つの方法がある。
損益計算書の利益操作
収益を過小に、または費用を過大に計上することで、損益計算書上の当期純利益(経営成績)を実際以下であるように見せる方法である。
貸借対照表の資産の過小計上または負債の過大計上
損益計算書の当期純利益は、貸借対照表の純資産の部の剰余金(利益剰余金)とつながっている。
すなわち、損益計算書の当期純利益のうち内部留保された利益が、貸借対照表の利益剰余金に加えられ、その結果、資産と純資産(資本)が増加することになる。
したがって、 逆に、貸借対照表の資産が減るか(→資産の過小計上)、あるいは、負債が増えれば(→負債の過大計上)、損益計算書の当期純利益は減ることになる。
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