［経済］簿記勘定科目一覧表（用語集）

資本―法律上の資本―資本の三原則

資本の三原則とは

資本の三原則の定義・意味・意義

資本の三原則とは、資本に本質的に要請される、次の３つの原則をいう。

1. 資本充実の原則
2. 資本維持の原則
3. 資本不変の原則

なお、昭和２５年の商法改正前までは、資本確定の原則が存在していたので、次の３つが資本の三原則であるとされていた。

1. 資本確定の原則
2. 資本充実・維持の原則
3. 資本不変の原則

資本の三原則の趣旨・目的・機能

法学上、資本は、「会社財産を確保するために基準となる計算上の金額^※」と定義されている。

^※貸借対照表の純資産の部に計上される金額という意味で「計算上の金額」という。

具体的にいえば、これは会社法が定める法定資本のことで、法定資本を処理するための勘定科目が資本金勘定となる。

法律がこの資本という制度を設けているのは、次の理由からである。

すなわち、株主有限責任の原則から、株主は出資した金額以上の責任は負わない。

そのため、会社債権者にとっては、会社財産のみが自己の債権を回収するための唯一の引き当てとなる。

そこで、「会社財産を確保する」ために、資本という制度が設けられた。

そして、こうした資本制度の趣旨から、資本には、三つの原則が本質的に要請される。

ただし、資本確定の原則は、設立と増資（新株発行）の健全性を確保するための政策的に要請される原則であって、資本制度に本質的なものではない。