資本
資本とは 【capital】
資本の定義・意味など
資本(しほん)の概念には、次のような種類がある。
1.経済学上の資本(経済学における資本)
経済学上、資本とは、事業(市場経済)に投下して利潤追求する(利益を得る・もうける)ための元手(財産)をいう。
古典的な学説では、たとえば、リカードは、資本を生産の三要素(①資本②労働③土地)のひとつとしている。
たとえば、貨幣を、利潤(利益。つまり、金利(利子))を得るため元手として事業に投下した場合には、貨幣は資本として使用されたことになる。
換言すれば、金利(利子)が生まれ、貨幣が自己増殖の目的を有した(貨幣の目的が商品を手に入れることではなく、より多くの貨幣自体を手に入れることになる、つまり、貨幣が商品化した)とき、貨幣は資本と呼ばれ、そして、貨幣が資本となったときに資本主義が開始されたということができる。
参考:宮田安彦 『ライフデザイン学概論 真に豊かな生活を求めて』 日本教育訓練センター、2013年、77項。
この意味での資本は、通常、次の3つの種類に分類される。
法的には(会社法上は)、株主有限責任の原則を採用する株式会社では、金銭出資、現物出資というかたちで、金融資本、物的資本は認められているが、労務出資すなわち人的資本は認められていない。
一般的に経済学上の資本の概念は、借方(資金調達)・貸方(資金運用)という区別をしないで使用されていることが多いようである。
ただし、マクロ経済学で資本という場合は、貸方(資金運用)の側面を指しているものと思われる。
2.法律上の資本(法律における資本)
法律上、資本とは、法律が定める資本金(=法定資本)のことである。
なお、簿記上、この法定資本を処理するための勘定科目が資本金勘定となる。
3.会計上の資本(会計における資本)
会計上、資本とは、貸借対照表で、資産の総額から負債の総額を差し引いた額をいう。
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