売上原価の算定―期末商品棚卸高の評価―②棚卸資産の評価(価値の確定)―棚卸資産の評価方法―原価法―平均原価法―単純平均法
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単純平均法とは
単純平均法の定義・意味など
単純平均法(たんじゅんへいきんほう)とは、棚卸資産の評価方法のうち原価法のひとつで、期中は払出単価は考慮せずに、期末に平均受入単価を算出し、これに期末棚卸数量を乗じて、期末棚卸資産の評価額を決定する方法をいう。
平均単価の計算方法
計算式・公式
単純平均法では、平均単価は、次の算式により算出する。
平均単価 = 受入単価の合計 / 受入回数
単純平均法の目的・役割・意義・機能・作用など
単純平均法では、商品有高帳でいえば、受入については受入数量と受入単価とも記録するが、払出と残高については数量だけを記録することになる。
単純平均法の性格・性質
総平均法・単純平均法・売価還元法以外の棚卸資産の評価方法は、期中にあっては棚卸資産(商品等)の払出単価の決定方法として、期末にあっては期末棚卸資産の評価額の決定方法として、2つの性格を有している。
しかし、単純平均法にあっては、期中は、払出単価は考慮しない。
単純平均法の位置づけ・体系(上位概念等)
原価法
その売上原価等の算定のためには、費用収益対応の原則から、いつ(日付)、いくらで(単価)、どれだけ(数量)仕入れた棚卸資産(商品等)が、いつ、いくらで、どれだけ売れたのか(期中)、そして、その結果、いつ、いくらで仕入れた棚卸資産がどれだけ売れ残ったのか(期末)を確定しておく必要がある。
しかし、通常の大量生産品にあっては、同じ棚卸資産であっても仕入ごとに購入単価が異なることがあるため、費用と収益の関係が明確ではなく、この作業は簡単にはいかない。
そこで、期中・期末の棚卸資産の評価方法としては、取得原価主義に基づく原価法が採用されている。
単純平均法も、総平均法・移動平均法とともに平均原価法として、この原価法のひとつである。
法人税法上、原価法として、次の方法が認められている(法人税法施行令28条1項1号)。
※単純平均法と後入先出法は、2010年4月1日以後開始する事業年度から廃止され、使用できなくなった。
なお、企業会計基準第9号「棚卸資産の評価に関する会計基準」では、棚卸資産の評価方法として、次の4つを規定している。
また、「中小企業の会計に関する指針」では、棚卸資産の評価方法につき、次のように規定している。
棚卸資産の評価方法は、個別法、先入先出法、後入先出法、総平均法、移動平均法、売価還元法等、一般に認められる方法によるものとしている。
なお、期間損益の計算上著しい弊害がない場合には、最終仕入原価法を用いることもできる。
単純平均法のメリットとデメリット
単純平均法のメリット
単純平均法のデメリット
数量を考慮せず、単純に単価だけの平均値を使用する(加重平均ではない)ため、適切妥当な方法とはいえない。
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