[経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)

勘定科目を体系的に分類し、仕訳の仕方等を解説した会計の実務的マニュアルです。


棚卸資産(たな卸資産)―会計処理―棚卸資産の評価―①棚卸資産の評価方法―原価法―平均原価法


平均原価法とは 【average cost method

平均原価法の定義・意味など

平均原価法(へいきんげんかほう)とは、棚卸資産の評価方法のうち原価法のひとつで、棚卸資産を種類の異なるごとに区別したうえ、平均原価を算出し、この平均原価によって期中棚卸資産の払出単価(移動平均法のみ)と期末棚卸資産の評価額を決定する方法をいう。

平均原価法の分類・種類

平均原価法は平均単価の算出の方法の違いにより次の3つの種類がある。

  1. 総平均法
  2. 移動平均法
  3. 単純平均法

平均原価法の性格・性質

平均原価法のうち、移動平均法だけは、期中にあっては棚卸資産商品等)の払出単価の決定方法として、期末にあっては期末棚卸資産の評価額の決定方法として、2つの性格を有していることに注意。

平均原価法の位置づけ・体系(上位概念等)

売上原価等は代表的な必要経費である。

その売上原価等の算定のためには、費用収益対応の原則から、いつ(日付)、いくらで(単価)、どれだけ(数量)仕入れ棚卸資産商品等)が、いつ、いくらで、どれだけ売れたのか(期中)、そして、その結果、いつ、いくらで仕入れ棚卸資産がどれだけ売れ残ったのか(期末)を確定しておく必要がある。

しかし、通常の大量生産品にあっては、同じ棚卸資産であっても仕入ごとに購入単価が異なることがあるため、費用収益の関係が明確ではなく、この作業は簡単にはいかない。

そこで、期中期末棚卸資産の評価方法としては、取得原価主義に基づく原価法が採用されている。

平均原価法もこの原価法のひとつつである。

法人税法上、原価法として、次の方法が認められている(法人税法施行令28条1項1号)。

  1. 個別法
  2. 先入先出法
  3. 平均原価法
    1. 総平均法
    2. 移動平均法
    3. 単純平均法
  4. 後入先出法
  5. 最終仕入原価法
  6. 売価還元法

単純平均法後入先出法は、2010年4月1日以後開始する事業年度から廃止され、使用できなくなった。

なお、企業会計基準第9号「棚卸資産の評価に関する会計基準」では、棚卸資産の評価方法として、次の4つを規定している。

  1. 個別法
  2. 先入先出法
  3. 平均原価法
  4. 売価還元法

また、「中小企業の会計に関する指針」では、棚卸資産の評価方法につき、次のように規定している。

棚卸資産の評価方法は、個別法先入先出法後入先出法総平均法移動平均法売価還元法等、一般に認められる方法によるものとしている。
なお、期間損益の計算上著しい弊害がない場合には、最終仕入原価法を用いることもできる。

平均原価法の特色・特徴

先入先出法後入先出法が、仕入から販売までの商品の流れを仮定するのに対し、平均原価法では、商品の流れは考慮せず代わりに平均単価を算出することで資産取得価額を決定するという点に特色がある。



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