外国為替―為替レートの変動要因―具体例―円高・ドル安の場合
円高とは
円高の定義・意味・意義
円高とは、円の対外的(国際的)な価値(つまり、購買力)が増大することをいう。
たとえば、1ドル=100円から、1ドル=80円になることが円高である。
逆に、この場合、ドルの立場からみると、ドルの価値が下落することになるので、ドル安ということになる(→円高・ドル安)。
円高の原因・理由・要因
円高の一般的原因・理由―需要と供給の法則
変動為替相場制(変動相場制)のもとでは、為替レートは、通貨に対する需要と供給の関係によって変動する。
したがって、円とドルなどの需要と供給の関係(需給バランス)によって、為替レートが変動し、円高・ドル安になったり、円安・ドル高になったりする。
円高の個別的要因―主に両国間の金利差またはインフレ率の差
両国間の金利差―金利平価説
円買い・ドル売りとは、つまり、ドルの所持者が銀行で円を買うために、ドルを支払うことである。
では、どういう場合に円を買わなければならないかというと、それにはさまざまな要因が考えられ、また、諸説がある。
しかし、基本的には、為替レートは、両国間の金利差を反映して動くものといえる(=金利平価説)。
つまり、日本の金利がアメリカの金利より高い場合に、ドルで円が買われるのである。
両国間のインフレ率の差―購買力平価説
また、このように為替レートは基本的には金利差によって調整されるという金利平価説のほか、インフレ率によって調整されるという説(=購買力平価説)もある。
まとめ
以上を含め円高の要因をリストアップすると、たとえば、次のようなものがある。
- 日本の金利が外国の金利より高い
- (日本の)輸出の増加※(日本の貿易収支の黒字)
- 外国のインフレ(→安い日本製品を買い求めるために輸出が増加する)
- 外国人の円建て債券・株式等の買いの増加
- 日銀の円買い・ドル売り介入など
※たとえば、日本の企業がアメリカに輸出をすると、その代金はドルで受け取る。そこで、ドルを円に両替する(ドルを支払って円を買う)必要が出てくる。
円高の効果・効力
貿易への影響・作用
輸入増加
円高になると、円の対外的な購買力が増大するので、輸入品の価格は安くなり、輸入が増加する。
したがって、輸入関連企業には有利となる。
輸出減少
円高になり、円の対外的な購買力が増大するということは、外国の側からみると、日本からの輸出品は外国では割高になるということを意味する。
そのため、輸出は減少するので、輸出関連企業には不利となる。
資本への影響・作用
為替リスク
外貨建ての資産を有している場合、円高になると、為替差損が発生する(資産が目減りする)。
これを為替リスクという。
為替リスクを回避するために取られる手段・方法を為替ヘッジという。
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