貸倒引当金―区分表示と表示科目
1.貸倒引当金の貸借対照表上の表示
区分表示と表示科目
貸倒引当金は評価性引当金であるため、他の引当金のように負債の部には計上しない。
貸倒引当金の設定対象となった資産から引当金額を間接的に控除するかたち(控除項目(売掛金など本来の勘定のマイナスの性質を有する評価勘定))で、資産の部に表示する。
表示方法
貸借対照表上の貸倒引当金の表示には、減価償却費の場合と同様、次の3つの方法がある。
科目別間接控除法が原則であるが、実務上では、手間を省くために、一般には一括間接控除法で記載される。
中小企業の会計に関する指針
貸倒引当金は、原則として対象となった各項目ごとに控除形式で表示する。
ただし、流動資産又は投資その他の資産から一括して控除形式で表示する方 法、又は対象となった項目から直接控除して注記する方法によることもできる。
原則
科目別間接控除法
科目別間接控除法とは、科目別に対象となった資産ごとに、これから控除する形式で表示する方法をいう。
例外
一括間接控除法
一括間接控除法とは、流動資産または投資その他の資産から一括して控除する形式で表示する方法をいう。
ただし、この方法による場合であっても、流動資産に対する貸倒引当金と、投資その他の資産に対する貸倒引当金は明確に区別して、それぞれの区分ごとに表示しなければならない。
直接控除注記法
直接控除注記法とは、対象となった個々の科目について、直接、貸倒引当金控除後の金額を記載し、貸倒引当金の金額は注記するという方法をいう。
2.貸倒引当金の損益計算書上の表示
貸倒引当金の繰入、戻入(取崩し)は、それぞれ貸倒引当金繰入(または貸倒引当金繰入額)勘定と貸倒引当金戻入(または貸倒引当金戻入額)勘定を用いて表示する。
繰入額の方が多い場合
繰入額と戻入額の差額を貸倒引当金繰入勘定を用いて、次のとおり、債権の区分ごとに表示する。
営業上の取引に基づく債権を対象とする場合(異常なものを除く)
損益計算書>経常損益の部>営業損益の部>販売費及び一般管理費>貸倒引当金繰入
営業上の取引以外の取引に基づく債権を対象とする場合
損益計算書>経常損益の部>営業外損益の部>営業外費用>貸倒引当金繰入
臨時かつ巨額の債権を対象とする場合
戻入額(取崩額)の方が多い場合
戻入額と繰入額の差額を貸倒引当金戻入勘定を用いて、次のとおり表示する。
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