取引(会計取引)
取引とは 【transaction】
取引の定義・意味など
会計上、取引(とりひき)とは、会社の資産・負債・資本(純資産)が増減することをいう。
参考:日本経済新聞社 『会計用語辞典』 日本経済新聞出版社、1978年、138頁。
なお、収益、費用は、資産、負債、資本の増減を通じて認識するしくみになっている。
村形聡 『スラスラ読める 簿記の本』 新星出版社、2004年、74項。
取引の別名・別称・通称など
会計取引
会計取引ともいう。
参考:村形聡 『スラスラ読める 簿記の本』 新星出版社、2004年、73項。
取引の目的・役割・意義・機能・作用など
簿記の記録対象
簿記とは、会計帳簿に企業の取引(経営活動)を記入すること(帳簿記入=簿記)をいうが、簿記の対象となる取引は一般的にいう取引とは違い、原則として、上記の意味での取引に限定される。
ただし、例外として備忘記録がある。
逆に言えば、会社の資産、負債、資本に増減があれば、それは取引として、そのすべてを記録する必要がある。
取引の範囲・具体例
たとえば、火事で建物が焼失した場合、一般的にはこれを取引とはいわないが、建物という資産が減少し、損失が発生しているため、簿記上は「取引」としてその記録を要することになる。
逆に、商品の注文行為自体は、一般的にはこれを取引というが、まだ何ら資産等の増減を伴っていないので、会計取引には該当せず、記録を要しない。
取引の分類・種類
資産・負債・資本の増減の原因による分類・種類
取引には、次の2つのパターンがある。
- 他の資産・負債・資本の増減を原因として、資産・負債・資本が増減する取引(単に財産を取り替えただけの取引)
- 他の資産、負債、資本の増減ではなく、収益・費用の発生を原因として、資産・負債・資本が増減する取引(たとえば、モノを売って儲かったため資産が増えた、など)
利益発生の有無による分類・種類
取引の内容による分類・種類
取引には、その内容に応じて、次のような種類がある。
取引の記録の方法
取引の2面性(借方と貸方 貸借対照表と損益計算書)
上述のように、取引は、必ず二面性を有していることになる。
たとえば、お金を借りたので現金(資産)が増加したが、反面、借金(負債)が増加した場合などのように、資産の増加があれば、他方で他の負債の増加(あるいは資産の減少)、または収益の発生を伴っている。
という手順で、1つの取引で2つの事柄を記録することになる。
簿記では、この取引の二面性を、取引を借方と貸方とに分解して表現するという方法を取る。
なお、資産、負債、資本の増減の記録の集計が貸借対照表へ、そして、収益、費用の増減の記録の集計が損益計算書へとつながっていくことになる。
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