通貨制度(貨幣制度)①―金本位制
金本位制とは
金本位制の定義・意味・意義
国家が貨幣の発行の仕方などに関して設ける制度を通貨制度(貨幣制度)という。
近代的通貨制度の代表的なものには、次の2つの種類がある。
- 金本位制
- 管理通貨制
このうち、金本位制とは、本位貨幣(=一国の基本となる貨幣・通貨)を金とする通貨制度をいう。
当初は、価値がある金貨それ自体が貨幣・通貨とされる場合があった。
しかし、その国が保有する金の量を基礎にして、金または金貨と一定比率で交換することが保証された兌換紙幣を発行する制度へと変化した。
金本位制の趣旨・目的・役割・機能
貨幣には、価値尺度、交換手段、価値貯蔵手段といった機能があるが、これらの機能をすべて有しているのは、金だけである。
そして、金本位制のもとでは、紙幣は実際に金と交換可能な証券としての意味を持つことになる。
よって、貨幣それ自体に価値があることになる。
これに対し、管理通貨制のもとでは、貨幣(カネ)それ自体には本当の(実体のある)価値はなく、「取り決め(ルール)」「作られたもの」「(本物ではない)幻想」にすぎなくなる。
金本位制のメリットとデメリット
金本位制のメリット・長所・利点・有利な点
金本位制には、たとえば、次のようなメリットがある。
金本位制のデメリット・短所・弱点・不利な点
金本位制には、たとえば、次のようなデメリットがある。
金本位制の経緯・沿革・歴史など
金本位制は、1816年にイギリスで初めて実施された。
これにより、近代的な貨幣制度が始まった。
しかし、1929年の世界大恐慌を原因に、各国は金本位制の維持による貨幣価値の安定よりも、景気の回復を重視して、金本位制をやめ、管理通貨制へと移行していった。
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