貨幣・通貨(お金・カネ・マネー)―指標―②通貨残高(マネーストック)(通貨供給量・マネーサプライ)―問題点・課題―マネー経済
(" 経済―分類―マネー経済 "から複製)
マネー経済
マネー経済の定義・意味など
マネー経済(マネーけいざい)とは、商品との交換ではなく(モノやサービスなどを手にすることなく)、高度・複雑に商品化・有価証券化等された金融資産(マネー自体)とマネー(貨幣・通貨・お金)が交換され(投資が行われ)、実物とのつながりが切れたマネーだけが動く経済をいう。
マネーは、市場経済における商品の媒介物であり、その基本的機能は次の2つである。
つまり、貨幣は、商品(モノとサービス、そしてヒト※)という実物との交換のために使用されるのが基本である。
※経済学では、ヒトも労働力という商品とみなす(→労働力市場)。
たとえば、日常生活では、モノやサービスという実物の商品の提供を受けるために、マネーと交換する(消費)。
また、消費だけでなく、会社・企業などが行う投資についても、その対象は基本的にはモノやサービスとヒトで、やはり実物である。
しかし、そもそも資本主義とは、資本(その代表的なものはマネーで貨幣資本)を元手として投下して(つまり、投資して)利潤を追求する経済活動をいう。
利潤を回収できるのであれば、マネー自体も商品となって(→金融商品。代表例としては、株や債券といった有価証券やデリバティブなど)、投資の対象になりうる。
マネー経済は、マネーが株・債券といった有価証券等に姿を変えて市場を流通して、それ自体で利潤を生み出しいる(マネーの本来の目的は実物を手に入れることであった)経済、いわば、金融市場のなかだけで数字が動いている経済である。
1990年代以降、マネー経済の規模が急速に拡大したといわれている。
マネー経済と関係・関連する概念
マネー経済の同義概念・同義語
金融経済
マネー経済の位置づけ・体系(上位概念等)
経済
経済は次の2つに大別される。
マネー経済の歴史・沿革・由来・起源・経緯など(マネー経済が膨張した原因)
マネー経済が拡大することになる基本的原因は、国内的には金本位制をやめて管理通貨制に移行したことと、国際的には変動為替相場制に移行した点にある。
まず、国内的には、管理通貨制のもとで、実体的価値がある金・金貨との関係が失われた貨幣は、単に「取り決め(ルール)」「作られたもの」「幻想」「思惑」にすぎなくなる。
また、国際的にも、各国通貨価値の安定を図るため、アメリカの経済力を背景に採用されていた、ドルを基軸通貨とする固定為替相場制が崩壊することで、通貨価値が不安定となる。
そして、1990年代以降の金融グローバリゼーションの進展(金融派生商品(デリバティブ)市場の拡大)を直接的な原因として、マネー経済の規模は急速に実物経済の規模を上回っていく。
マネー経済の具体例
貯蓄・投資
たとえば、先物、株式、為替(FX)や投資信託(株式・公社債・不動産)その他金融商品の売買は、マネー経済に属する経済行為である。
ただし、金融商品取引法では、銀行預金などは金融商品とされていない。
現在のページが属するカテゴリ内のページ一覧[全 23 ページ]
貨幣・通貨(お金・カネ・マネー)
貨幣・通貨(お金・カネ・マネー)―機能―①価値尺度手段
貨幣・通貨(お金・カネ・マネー)―機能―②交換手段(流通手段)
貨幣・通貨(お金・カネ・マネー)―機能―③価値貯蔵手段
貨幣・通貨(お金・カネ・マネー)―機能―④支払手段(決済手段)
貨幣・通貨(お金・カネ・マネー)―機能―④支払手段(決済手段)―決済
貨幣・通貨(お金・カネ・マネー)―機能―④支払手段(決済手段)―決済―具体例―為替
貨幣・通貨(お金・カネ・マネー)―機能―④支払手段(決済手段)―決済―具体例―為替―振込
貨幣・通貨(お金・カネ・マネー)―機能―④支払手段(決済手段)―決済―具体例―為替―振替
貨幣・通貨(お金・カネ・マネー)―機能―④支払手段(決済手段)―決済―具体例―為替―クレジットカード
貨幣・通貨(お金・カネ・マネー)―機能―④支払手段(決済手段)―決済―具体例―為替―デビットカード
貨幣・通貨(お金・カネ・マネー)―分類―邦貨―現金通貨
貨幣・通貨(お金・カネ・マネー)―分類―邦貨―預金通貨
貨幣・通貨(お金・カネ・マネー)―分類―邦貨―準通貨
貨幣・通貨(お金・カネ・マネー)―分類―邦貨―CD(譲渡性預金)
貨幣・通貨(お金・カネ・マネー)―分類―外貨
貨幣・通貨(お金・カネ・マネー)―指標―①ハイパワードマネー(マネタリーベース・ベースマネー)
貨幣・通貨(お金・カネ・マネー)―指標―②通貨残高(マネーストック)(通貨供給量・マネーサプライ)
貨幣・通貨(お金・カネ・マネー)―指標―②通貨残高(マネーストック)(通貨供給量・マネーサプライ)―管理―金融政策と財政政策
貨幣・通貨(お金・カネ・マネー)―指標―②通貨残高(マネーストック)(通貨供給量・マネーサプライ)―問題点・課題―マネー経済
貨幣・通貨(お金・カネ・マネー)―指標―貨幣乗数(信用乗数)
通貨制度(貨幣制度)①―金本位制
通貨制度(貨幣制度)②―管理通貨制
現在のページが属するカテゴリのサイトにおける位置づけ
- ホーム
経済学
基礎概念・基本概念
経済主体
経済主体―企業
経済主体―企業―分類―株式会社
経済主体―企業―分類―非営利法人
経済主体―企業―分類―非営利法人―一般法人
経済主体―企業―企業結合
貨幣・通貨
経済体制―市場経済(資本主義の前提)
経済体制―資本主義
経済体制―資本主義―資本
マクロ経済―経済循環
マクロ経済―国富と国民所得―国富(ストック)
マクロ経済―国富と国民所得―国民所得(フロー)
マクロ経済―国富と国民所得―国民所得(フロー)―GDP
マクロ経済―景気変動
マクロ経済―需要と供給
マクロ経済―金融
マクロ経済―金融―金融市場
マクロ経済―金融―金融市場―役割―資金調達と資産運用
マクロ経済―金融―金融市場―証券市場―株式市場―株式
マクロ経済―金融―金融市場―証券市場―株式市場―株式―消却・併合・分割―株式分割
マクロ経済―金融―金融市場―証券市場―株式市場―取引
マクロ経済―金融―金融機関
マクロ経済―金融―金融機関―中央銀行
マクロ経済―金融―金融機関―市中金融機関
マクロ経済―金融―金融機関―公的金融機関
マクロ経済―金融―金融政策
マクロ経済―財政
マクロ経済―物価
経済事象の相関関係・原因と結果・因果関係