在庫―在庫管理―棚卸―帳簿棚卸―継続記録法(帳簿棚卸法)
継続記録法とは 【book inventory method】
継続記録法の定義・意味など
継続記録法(けいぞくきろくほう)とは、期中において、商品有高帳や材料元帳などにより、継続的に在庫(≒棚卸資産)の各品目ごとに受払(受入れと払出し)と残高を記録することで、売上数量(商品の場合)・消費数量(材料の場合)や在庫数量を計算する方法をいう。
売上数量・消費数量の計算方法
継続記録法では、売上数量または消費数量は、次の計算式により算定・算出をする。
売上数量・消費数量 = 商品有高帳や材料元帳に記録された払出数量
継続記録法の別名・別称・通称など
帳簿棚卸法
継続記録法は、帳簿棚卸法(ちょうぼたなおろしほう)ともいう。
継続記録法の位置づけ・体系(上位概念等)
帳簿棚卸
継続記録法は、棚卸のひとつである帳簿棚卸の具体的な計算方法である。
なお、棚卸は次の2つの種類に分類される。
本来ならば、帳簿棚卸により算定された在庫数量=帳簿棚卸数量(帳簿有高)と実地棚卸により実際に調べた在庫数量=実地棚卸数量とは一致するはずである。
しかし、商品の盗難(万引き)・紛失や入力ミスなどの理由で両者は一致しないことも多い。
そこで、帳簿棚卸による場合であっても、記録の正確性を確認するために、定期的(月末・決算日など)に実地棚卸を行って実地棚卸数量を調べ、帳簿棚卸数量との照合を行う。
ただし、商品に関しては、決算日に一度、期末商品棚卸高の評価においてなされるのが一般的である。
継続記録法と関係する概念
反対概念・対概念
棚卸計算法
継続記録法と棚卸計算法との違い
継続記録法では、帳簿により、受払(受入れと払出し)とその残高を継続的に記録していくのに対して、棚卸計算法では、これを行わない。
ただし、棚卸計算法においても、売上数量あるいは消費数量を計算するには、期中あるいは当月の仕入数量(受入数量)は把握しておく必要がある。
したがって、受入記録は行っておく必要がある。
結局、継続記録法と棚卸計算法の違いは払出記録を行うか否か、ということになる。
継続記録法のメリットとデメリット
継続記録法のメリット
継続記録法により、帳簿上で商品等の期中の受入数量・払出数量のほか在庫数量を常に把握できる。
したがって、実地棚卸をしなくても月次損益計算をすることが可能となる。
帳簿上で在庫数量を常に知ることができることから、帳簿棚卸法の名がある。
日本経済新聞社 『会計用語辞典』 日本経済新聞出版社、1978年、126頁。
さらに、定期的(月末・決算日など)に実地棚卸も併用することで、紛失・盗難などによる帳簿棚卸数量と実地棚卸数量との差(在庫数量の減少分)、すなわち、棚卸減耗を把握することが可能となる。
逆に言えば、棚卸減耗を把握するためには、在庫数量の算定方法として継続記録法を採用していることが前提となる。
また、原価計算も継続記録法を前提としている。
そのため、製造業では継続記録法が採用されていることが多い。
継続記録法のデメリット
継続記録法は手間がかかり、煩雑である。
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