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低価法の法人税法上の取り扱い
原則―原価法
会計上は、低価法が強制適用されることとなったが、税務上は、原価法を法定評価基準とする。
つまり、法人税法では、単なる物価変動等による価値の減少については、これを損金とすることは認められていないということで、会計上、低価法を適用して商品評価損を計上しても、損金としてとりあつかうことはできない。
通常は、税法上の基準に基づくことが多い。
例外①―届出→低価法
特例法(法人税法施行令第31条2項)により、継続適用を前提として、届出をすることにより、低価法による評価を行うことも認められている。
低価法を採用するための手続き―手順・方法・仕方
低価法を採用する場合、会社設立後最初の確定申告書の提出期限までに、税務署に届け出をする必要がある。
評価方法を届け出なかった場合には、最終仕入原価法(原価法)を選択・選定したとみなされる。
例外②―特定の事実が生じた場合→低価法
また、特例法(法人税法施行令第68条)では、例外的に、棚卸資産については、次の特定の事実が生じた場合には、資産の評価損を損金算入することが認められている。
「当該資産が著しく陳腐化したこと」の例示
法人税基本通達
(棚卸資産の著しい陳腐化の例示)
9-1-4 令第68条第1項第1号ロ《評価損の計上ができる著しい陳腐化》に規定する「当該資産が著しく陳腐化したこと」とは、棚卸資産そのものには物質的な欠陥がないにもかかわらず経済的な環境の変化に伴ってその価値が著しく減少し、その価額が今後回復しないと認められる状態にあることをいうのであるから、例えば商品について次のような事実が生じた場合がこれに該当する。
(1) いわゆる季節商品で売れ残ったものについて、今後通常の価額では販売することができないことが既往の実績その他の事情に照らして明らかであること。
(2) 当該商品と用途の面ではおおむね同様のものであるが、型式、性能、品質等が著しく異なる新製品が発売されたことにより、当該商品につき今後通常の方法により販売することができないようになったこと。
「1、2に準ずる特別の事実」の例示
法人税基本通達
(棚卸資産について評価損の計上ができる「準ずる特別の事実」の例示)
9-1-5 令第68条第1項第1号ハ《棚卸資産の評価損の計上ができる事実》に規定する「イ又はロに準ずる特別の事実」には、例えば、破損、型崩れ、たなざらし、品質変化等により通常の方法によって販売することができないようになったことが含まれる。
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