棚卸資産(たな卸資産)―会計処理―損益計算書の表示方法―原価性
原価性とは
原価性の定義・意味など
原価性(げんかせい)とは、商品などの棚卸資産の棚卸減耗または評価損が当該資産の原価にかかるものかどうかをいう。
用語の使用例
原価性を有する・原価性を有しない
原価性という用語は企業会計原則や財務諸表等規則で「原価性を有する(原価性がある)」または「原価性を有しない(原価性がない)」というかたちで使用されている。
「原価性を有する」とは、通常発生する程度(原価の範囲内)の棚卸減耗または評価損をいい、「原価性を有しない」とは、異常発生した(原価の範囲外)の棚卸減耗または評価損をいう。
参考: 『日商簿記2級 商業簿記 スピード攻略テキスト』 DAI-X出版、2004年、225項。
原価性の目的・役割・意義・機能・作用など
損益計算書の表示方法
会計上、原価性の有無により、損益計算書における棚卸資産の棚卸減耗または評価損の表示方法が異なるものとされている。
たとえば、商品の棚卸減耗費や商品評価損の表示方法は、それが原価性を有する場合は売上原価の内訳科目として表示し、原価性を有しない場合は営業外費用または特別損失に属するものとして表示するものとされている。
財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則
(原価差額の表示方法)
第九十六条 財務諸表提出会社の採用する原価計算方法に基づいて計上される原価差額は、一般に公正妥当と認められる原価計算の基準に従つて処理された結果に基づいて、売上原価又はたな卸資産の期末たな卸高に含めて記載しなければならない。ただし、原価性を有しないと認められるものについては、営業外収益若しくは営業外費用として、又は特別利益若しくは特別損失として記載するものとする。
企業会計原則注解
〔注10〕たな卸資産の評価損について
…
(3) 品質低下、陳腐化等の原因によって生ずる評価損については、それが原価性を有しないものと認められる場合には、これを営業外費用又は特別損失として表示し、これらの評価損が原価性を有するものと認められる場合には、製造原価、売上原価の内訳科目又は販売費として表示しなければならない。
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