景気―経済成長
経済成長とは 【economic growth】
経済成長の定義・意味など
経済成長(けいざいせいちょう)とは、国の経済が成長する(規模が拡大する)ことをいう。
したがって、経済成長する、ということは、国内総生産(GDP)を増やす、ということと同じ意味になる。
経済成長の意義・役割・作用・位置づけ
経済成長の要因
有効需要
ケインズの理論では、経済成長のカギは、有効需要、具体的には家計の消費、企業の投資、政府の公共投資、輸出の伸び(つまり、国内総支出(GDE))にかかっているとされる(→有効需要の原理)。
参考:村尾 英俊 『「なぜ?」がわかる政治・経済』 学研教育出版、2015年、401項。
インフレ
インフレとは物価が継続的に上昇する現象をいうが、裏を返すと、貨幣の価値が継続的に下落するということである。
インフレとは、持っているおカネの価値が下がっていく現象なのである。
おカネの価値が下がっていくならば、人々はカネよりもモノを欲しがるようになる。
また、借りたときより返すときの方が貨幣価値が下がるならば、カネは借りた方が得だというわけで、消費者はローンを組んで住宅や自動車を購入し、企業は銀行からの融資を受けて事業を拡大する。
こうして消費や投資がさらに拡大し、この需要の拡大に合わせて供給も拡大する。
これが経済成長というものであり、したがって、経済成長は基本的にインフレを前提としていると言ってもよい。
中野 剛志 『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』 ベストセラーズ、2019年、30-31項。
金利・資本主義の前提
資本主義は金利(利子・利子率)の概念とともに始まった(金利は資本主義の原動力である)といえる(→金利)が、金利は経済が成長すること(名目経済成長率がプラスになること)を前提にしている。
経済が成長してお金が増えていかなければ、金利という仕組みはそもそも成り立たないからである。
参考:経済成長は必要ないのか? - ネコでもわかる経済問題・総合 https://sites.google.com/site/nekodemokeizai/nekodemowakaru-jing-ji-yong-yu/jing-ji-cheng-zhangha-bi-yaonai
付加価値=豊かさの増加
経済成長は国内総生産(GDP)=付加価値の合計、すなわち、自然界に存在する原材料等に人の手を加えることによって付け加えられた価値(日常生活に役立つ等)、つまり、豊かさが増えていくことをあらわす。
経済成長の指標
経済成長率
経済成長は、国内総生産(GDP)の伸び率=経済成長率で表される。
人間の身体的成長は身長や体重で測るが、経済の成長は、国内総生産GDPの伸び率―経済成長率―で計るのがふつうである。
『理解しやすい政治・経済(改訂版)』 文英堂、172頁。
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