試用販売―②買取りの意思決定―試用品の買取りの意思表示
試用品の買取りの意思表示
試用品の買取りの意思表示の位置づけ・体系(上位概念等)
試用販売
試用品の買取りの意思表示は試用販売の手順のひとつである。
試用販売では、一定のお試し期間後、気に入れば買い取ってもらい、気に入らなければ返送してもらう。
なお、試用販売の手順は以下のとおり。
試用品の買取りの意思表示の会計・簿記・経理上の取り扱い
会計処理方法
使用する勘定科目・記帳の仕方等
試用販売の収益計上時期は、試用者が買取りの意思表示をした日である。
①収益の計上
試用者が買取りの意思表示をしたときは、通常は一般の売上と区別するため、買取りの意思表示があった試用品の売価を試用品売上勘定の貸方に記帳して収益計上する。
また、代金については、この時点では受け取っていないので、売掛金勘定で処理する。
②売上原価の計上または備忘記録の取消し
(手許商品区分法による場合)
手許商品区分法による場合、試用者が買取りの意思表示をしたときは、通常は一般の売上と区別するため、買取りの意思表示があった試用品の原価を試用品勘定から仕入勘定に振り替える(その都度法)。
(対照勘定法による場合)
対照勘定法による場合、試用者が買取りの意思表示をしたときは、買取りの意思表示があった試用品の原価の対照勘定を賃借逆にして、備忘記録を取り消す。
『日商簿記2級 商業簿記 スピード攻略テキスト』 DAI-X出版、2004年、57項。
取引の具体例と仕訳の仕方
手許商品区分法による場合
商品10万円(売価15万円)について、試用者から買取りの意思表示があった。なお、これに伴う売上原価を仕入勘定に振り替える(その都度法)。
売掛金 | 15万 | 試用品売上 | 15万 |
仕入 | 10万 | 試用品 | 10万 |
対照勘定法による場合
商品10万円(売価15万円)について、試用者から買取りの意思表示があった。
売掛金 | 15万 | 試用品売上 | 15万 |
試用仮売上 | 15万 | 試用販売未収金 | 15万 |
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