［経済］簿記勘定科目一覧表（用語集）

特殊商品売買―会計処理の方法―手許商品区分法―その都度法

その都度法とは

その都度法の定義・意味など

その都度法（そのつどほう）とは、特殊商品売買（未着品売買・委託販売・試用販売）で手許商品区分法による場合、販売の都度、売上にかかる原価を仕入勘定に振り替える方法をいう。

その都度法の位置づけ・体系（上位概念等）

手許商品区分法

手許商品区分法は、売上原価を仕入勘定で算定するための振替処理を行うタイミングにより、さらに次の2つの会計処理の方法がある。

1. その都度法 … 販売の都度売上原価の振替処理を行う方法
2. 期末一括法 … 期末に一括して売上原価の振替処理を行う方法

その都度法の会計・簿記・経理上の取り扱い

会計処理方法

使用する勘定科目・記帳の仕方等

未着品売買の場合

その都度法による場合は、販売の都度、転売した貨物代表証券の金額（商品の原価）を未着品勘定から仕入勘定に振り替える。

委託販売の場合

その都度法による場合は、販売の都度、積送品売上にかかる原価を積送品勘定から仕入勘定に振り替える。

試用販売の場合

その都度法による場合は、販売の都度、買取りの意思表示があった試用品の原価を試用品勘定から仕入勘定に振り替える。

取引の具体例と仕訳の仕方

未着品売買の場合

商品10万円の貨物引換証を12万円で転売し、代金は掛とした。なお、これに伴う売上原価を仕入勘定に振り替える（その都度法）。

借方科目	金額	貸方科目	金額
売掛金	12万	未着品売上	10万
仕入	10万	未着品	10万

委託販売の場合

受託者から仕切精算書の送付を受けた。これによれば売上高15万円、諸掛（諸費用と販売手数料）3万円、差引手取額12万円であった。なお、積送品売上にかかる売上原価は10万1千円（原価10万円・積送運賃1千円）でこれを仕入勘定に振り替える（その都度法）。

借方科目	金額	貸方科目	金額
積送諸掛	3万	積送品売上	15万
積送売掛金	12万
仕入	10万1千	積送品	10万1千

試用販売の場合

商品10万円（売価15万円）について、試用者から買取りの意思表示があった。なお、これに伴う売上原価を仕入勘定に振り替える（その都度法）。

借方科目	金額	貸方科目	金額
売掛金	15万	試用品売上	15万
仕入	10万	試用品	10万

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