退職給付制度―分類―確定拠出型―小規模企業共済制度―制度内容―収益―共済金等
小規模企業共済の共済金等
小規模企業共済では、積み立てた掛金を受け取る場合のお金のことを共済金という。
ただし、後述のように、たとえば、任意解約等により受け取るお金については解約手当金と呼ぶように、共済金の請求事由により共済金の呼び名を変えているので、その総称として「共済金等」という表現を用いる。
共済金等の受取方法
共済金等の受取方法には、次の3つの種類がある。
ただし、「分割受取り」と「一括受取りと分割受取りの併用」については、次に述べる共済金Aと共済金Bで、一定の要件を満たしている場合に限り、認められる。
共済金等の請求事由(共済金等を受け取ることができる場合)と受取額・所得税法上の取り扱い
小規模企業共済は、節税効果が高いが、最大のデメリットは、預金とは異なり、自由に引き出すことができないということである。
小規模企業共済共済制度の特色・特徴(使用・利用・活用方法や使い方のポイント・実務)
すなわち、共済金等を受け取ることができる場合は、次の4つの請求事由がある場合に限定されている。
逆に言えば、請求事由がある場合は、原則として、共済金等の支給を受ける必要がある。ただし、例外的に、掛金納付月数の通算という制度がある。
そして、それぞれの場合で共済金等の受取額と所得税法上の取り扱いが異なってくる。
1.個人事業を廃業した場合や法人(会社など)が解散した場合
請求事由
共済金は、個人事業を廃業した場合や法人(会社など)が解散した場合などに支払われる。
したがって、いざというときには、事業を廃止すれば、共済金を受け取ることができる。
(以下、平成23年1月の制度改正により、変更)
また、個人事業主から全額金銭出資による法人成り・法人化(会社設立)する場合において、いったん個人事業を廃業するときもこれに含まれる。
そのため、個人事業主で、将来的には法人化(会社設立)することを考えている人は、その資金作りとして利用することができる。
ただし、法人成りにあたり、現物出資(たとえば、事務所や車など)の額が資本金の一定割合を超えると、個人事業を廃業した場合とはみなされず、後述の共済契約を解約したものとして扱われるので、注意。
また、法人成りする場合は、通算申出という所定の手続きをすることで、個人事業主としての掛金を会社の役員としての掛金に引き継ぐことも可能である。
共済金等の受取額―共済金A
共済金Aの給付額はもっとも多くなる。
ただし、掛金の払い込み月数が6カ月未満の場合は、掛け捨てとなる。
所得税法上の取り扱い―退職所得
2.65歳以上で15年以上掛金を払い込んでいて老齢給付を請求した場合や法人(会社など)の役員が病気・ケガ・死亡を理由に退職した場合
請求事由
共済金は、 次の場合にも受け取ることができる。
共済金等の受取額―共済金B
ただし、共済金Aと同様、掛金の払い込み月数が6カ月未満の場合は、掛け捨てとなる。
所得税法上の取り扱い―退職所得
3.個人事業を配偶者や子に譲渡した場合や法人(会社など)の役員を任意または任期満了により退職した場合
請求事由
共済金は、 次の場合にも受け取ることができる。
- 個人の場合①…個人事業を配偶者や子に譲渡した場合
- 個人の場合②…個人事業を法人成りして、その会社の役員に就任しなかった場合
- 個人の場合③…個人事業を法人成りして、その会社の役員に就任したが、その会社が小規模企業でなかった場合
- 会社の場合…法人(会社など)の役員を任意または任期満了により退職した場合
共済金等の受取額―準共済金
掛金納付年数によっては(たとえば、納付年数が15年の場合でも)利子はつかない。
また、掛金の払い込み月数が12カ月未満の場合は、掛け捨てとなる。
所得税法上の取り扱い―退職所得
4.任意解約などで共済契約を解約した場合
請求事由
共済金は、 次の場合にも受け取ることができる。
共済金等の受取額―解約手当金
給付額はもっとも少なくなる。
たとえば、払い込み月数が240カ月(20年)未満の場合は、掛金残高を下回る(元本割れする)。
また、掛金の払い込み月数が12カ月未満の場合は、掛け捨てとなる。
所得税法上の取り扱い―一時所得
現在のページが属するカテゴリ内のページ一覧[全 31 ページ]
- 退職給付制度
- 退職給付制度―分類―確定給付型
- 退職給付制度―分類―確定給付型―退職一時金制度
- 退職給付制度―分類―確定給付型―厚生年金基金
- 退職給付制度―分類―確定給付型―確定給付企業年金
- 退職給付制度―分類―確定拠出型
- 退職給付制度―分類―確定拠出型―確定拠出年金
- 退職給付制度―分類―確定拠出型―小規模企業共済制度
- 退職給付制度―分類―確定拠出型―小規模企業共済制度―加入要件・加入条件(加入対象者)
- 退職給付制度―分類―確定拠出型―小規模企業共済制度―制度内容―費用―掛金(掛け金)
- 退職給付制度―分類―確定拠出型―小規模企業共済制度―制度内容―掛金納付月数の通算
- 退職給付制度―分類―確定拠出型―小規模企業共済制度―制度内容―掛金納付月数の通算―同一人通算
- 退職給付制度―分類―確定拠出型―小規模企業共済制度―制度内容―掛金納付月数の通算―承継通算
- 退職給付制度―分類―確定拠出型―小規模企業共済制度―制度内容―収益―共済金等
- 退職給付制度―分類―確定拠出型―小規模企業共済制度―特色
- 退職給付制度―分類―確定拠出型―小規模企業共済制度―加入手続き
- 退職給付制度―分類―確定拠出型―小規模企業共済制度―会計処理
- 退職給付制度―分類―確定拠出型―小規模企業共済制度―税務処理
- 退職給付制度―分類―確定拠出型―中小企業退職金共済制度(中退共)
- 退職給付制度―分類―確定拠出型―中小企業退職金共済制度―加入要件・加入条件(加入対象者)
- 退職給付制度―分類―確定拠出型―中小企業退職金共済制度―制度内容―費用―掛金(掛け金)
- 退職給付制度―分類―確定拠出型―中小企業退職金共済制度―制度内容―通算制度
- 退職給付制度―分類―確定拠出型―中小企業退職金共済制度―制度内容―収益―退職金・解約手当金
- 退職給付制度―分類―確定拠出型―中小企業退職金共済制度―加入手続き
- 退職給付制度―分類―確定拠出型―中小企業退職金共済制度―会計処理
- 退職給付制度―分類―確定拠出型―中小企業退職金共済制度―税務処理
- 退職給付制度―分類―確定拠出型―特定退職金共済制度
- 退職給付制度―退職給付会計
- 退職給付制度―退職給付会計―使用する勘定科目―退職給付引当金
- 退職給付制度―退職給付会計―使用する勘定科目―退職給付引当金―退職給付債務
- 退職給付制度―退職給付会計―使用する勘定科目―退職給付引当金―年金資産
現在のページが属するカテゴリのサイトにおける位置づけ
- ホーム
- 取引別―商業簿記その他一般
- 商品売買
- 商品売買―一般商品売買―仕入れ
- 商品売買―一般商品売買―売上げ
- 商品売買―一般商品売買―売掛金・買掛金
- 商品売買―一般商品売買―値引・返品・割戻・割引
- 商品売買―一般商品売買―諸掛
- 商品売買―一般商品売買―前払い(内金・手付金)
- 商品売買―一般商品売買―在庫
- 商品売買―特殊商品売買
- 商品売買―特殊商品売買―未着品売買
- 商品売買―特殊商品売買―委託販売・受託販売
- 商品売買―特殊商品売買―委託買付・受託買付
- 商品売買―特殊商品売買―試用販売
- 商品売買―特殊商品売買―予約販売
- 商品売買―特殊商品売買―割賦販売
- 金銭債権
- 金銭債務
- 現金
- 預金
- 預金―当座預金
- 小切手
- 手形
- 有価証券
- 棚卸資産
- 固定資産―資本的支出と収益的支出(修繕費)
- 固定資産―減価償却
- 固定資産―減価償却―減価償却費の計算
- 固定資産―減価償却―減価償却の方法の選定
- 固定資産―有形固定資産
- 固定資産―無形固定資産
- 固定資産―圧縮記帳
- 固定資産―減損
- その他の債権債務―仮勘定(仮払金・仮受金)
- その他の債権債務―立替金・預り金
- 貸倒れ
- リース取引
- 引当金
- 人事労務―賃金
- 人事労務―福利厚生制度
- 人事労務―退職給付制度
- 人事労務―年金
- 経営セーフティ共済
- 外貨建取引等
- 個人事業主―元入金(資本金)勘定と引出金勘定
- 個人事業主―事業主貸・事業主借勘定と専従者給与勘定
- 取引別―商業簿記その他一般