[経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)

勘定科目を体系的に分類し、仕訳の仕方等を解説した会計の実務的マニュアルです。


資本金の額の減少―無償減資(形式的減資・名目的減資・帳簿上の減資)


無償減資とは

無償減資の定義・意味など

無償減資(むしょうげんし)とは、会社財産の減少(会社財産の払戻し・出資の払戻し)を伴わない資本金の額の減少をいう。

無償減資の別名・別称・通称など

形式的減資(形式上の減資)・名目的減資(名目上の減資)・帳簿上の減資

無償減資は、形式的減資(または形式上の減資)・名目的減資(または名目上の減資)・帳簿上の減資などとも呼ばれる。

無償減資の位置づけ・体系(上位概念等)

資本金の額の減少

資本金の額の減少会社財産の減少(会社財産の払戻し・出資の払戻し)の有無により、次の2つに大別される。

  1. 無償減資(形式的減資)…会社財産の減少(会社財産の払戻し・出資の払戻し)なし
  2. 有償減資実質的減資)…会社財産の減少(会社財産の払戻し・出資の払戻し)あり

無償減資の目的・役割・意義・機能・作用など

損金の補填

無償減資は、繰越利益剰余金貸借対照表上の純資産の部)がマイナス(つまり、会社経営が赤字)になっているために生じた欠損金資本金で補填するために行われる。

無償減資と関係する概念

会社財産の払戻し・株式数の減少との関係

旧商法では、減資は、単に資本金の額を減少させるという意味だけでなく、会社財産の払戻しや株式数の減少という意味も担わされていた。

しかし、会社法では、減資は、会社財産の払戻しや株式数の減少(株式併合と株式消却)の実施の有無の問題とは切り離された。

つまり、単に減資の手続きを行っただけでは、無償減資となり、また、株式数も変わらない。

有償増資をするには、減資手続きとあわせて、別途剰余金の配当などを行って会社財産を払い戻す必要がある。

また、株式数を減少させるには、やはり減資手続きとあわせて、別途、株式の併合や自己株式の取得自己株式の消却を行う必要がある。

株式数の減少なし
株式数の減少あり
無償減資 減資 減資株式の併合
減資自己株式の無償取得自己株式の消却
有償減資 減資剰余金の配当 減資剰余金の配当株式の併合
減資自己株式の有償取得自己株式の消却

租税調査会研究報告第7号(日本公認会計士協会)
自己株式等の資本取引に係る制について
会社法においては、株主に対する会社財産の払戻しは「剰余金の配当等(会 453 、454 )」とされ、発行済株式数の減少は株主の持株数に応じて減少及び消却する場合 は「株式の併合(会 180 )」となり、株主の持株数に応じない消却の場合は「自己株式の取得(会 155 、156 )と消却(会 178 )」として資本金の額の減少とは別個に取り扱われている。

無償減資の会計簿記経理上の取り扱い

会計処理方法

次のページを参照。

資本金の額の減少の会計処理



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