［経済］簿記勘定科目一覧表（用語集）

売上―計上―売上の計上金額

売上の計上金額

値引・返品・割戻の取扱い

売上を計上する場合、売上計上時期の問題に次いで問題となるのが、値引（売上値引）・返品（売上戻り）・割戻（売上割戻）があったとき、売上の計上金額をいくらにするかという問題である。

これに関し、損益計算書の表示にかかる、次の2つの方法がある。

1. 純額主義
2. 総額主義

なお、上記2つの方法のうち、どちらを採用すべきかということについては、何の定めもない。

つまり、どちらの方法を採用するかは会社の実情にあわせて処理をすればよく、任意である。

財務諸表等規則でも、どちらの方法でもかまわない旨の規定がある。

ただし、純額主義による表示が主流である。

財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則
（売上高の表示方法）
第七十二条 　売上高は、売上高を示す名称を付した科目をもつて掲記しなければならない。ただし、第一号の項目を示す名称を付した科目及びその控除科目としての第二号の項目を示す名称を付した科目をもつて掲記することを妨げない。
一 　総売上高（半製品、副産物、作業くず等の総売上高及び加工料収入その他の営業収益を含む。）
二 　売上値引及び戻り高

１．純額主義

純売上高の計上

純額主義による場合、 値引（売上値引）・返品（売上戻り）・割戻（売上割戻）があったときは、商品等の販売時の貸借反対仕訳により売上勘定を直接減額・控除して純売上高を計上する。

２．総額主義

総売上高の計上

総額主義による場合、値引（売上値引）・返品（売上戻り）・割戻（売上割戻）があったときは、それらの額を帳簿上で明らかにするために、これを売上から直接控除せずに（つまり、相殺せずに）、控除前の総売上高を計上する。

そして、値引分等については売上高控除項目として、売上値引・売上戻り・売上割戻勘定などを特別に設けて計上し、損益計算書上は控除形式で表示する。