[経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)

勘定科目を体系的に分類し、仕訳の仕方等を解説した会計の実務的マニュアルです。


返品


返品とは

返品の定義・意味など

返品(へんぴん)とは、商品製品の品違い・品質不良などによって、後日、仕入側から販売側に商品を返却するこという。

参考:『日商簿記3級 商業簿記 スピード攻略テキスト』 DAI-X出版、2004年、58項。

返品の分類・種類

返品は、仕入側では仕入戻し(または仕入返品)、販売側では売上戻り(または売上返品)という。

返品と関係する概念

値引割戻割引

返品と関係する概念として値引割戻割引がある。

いずれも商品を引き下げる取引であり、返品とは異なる取引であるが、その会計処理の方法は同じである。

値引会計簿記経理上の取り扱い

会計処理方法

使用する勘定科目・記帳の仕方等

返品した場合は、商品等の販売時・仕入時の貸借反対仕訳をして売上仕入勘定を直接減額・控除して純売上高純仕入高を記載する方法(純額主義)と、返品の額を帳簿上で明らかにするために売上戻り(または売上返品)・仕入戻し(または仕入返品勘定を用いて処理したうえ売上仕入勘定には総売上高総仕入高を記載する方法(総額主義)とがある。

なお、損益計算書上では、売上戻り売上高の控除項目(売上高控除項目)、仕入戻し当期商品仕入高の控除項目(仕入高控除項目)となる。

企業会計原則では総額主義が原則とされているが(→総額主義の原則)、実務上は、重要性の原則から、前者の純額主義による会計処理が一般的である。

売上仕入を直接減額する方法(純額主義

貸借反対仕訳

返品をしたときは、商品等の販売時・仕入時の反対仕訳をして返品分の売上仕入を取り消す(控除する)。

売上戻り仕入戻し勘定を用いて処理する方法(総額主義

売上戻り仕入戻し

返品をしたときは、返品分を、販売側では売上戻り(または売上返品勘定借方に、仕入側では仕入戻し(または仕入返品勘定貸方に記帳する。

取引の具体例と仕訳の仕方

売上仕入を直接減額する方法(純額主義

取引

で販売した商品1万円のうち一部2千円分に品質不良があったので、返品を受けた。

仕訳

(販売側:売上戻り

借方科目
貸方科目
売上 2千 売掛金 2千

仕入側:仕入戻し

借方科目
貸方科目
買掛金 2千 仕入 2千

売上戻り仕入戻し勘定を用いて処理する方法(総額主義

取引

で販売した商品1万円のうち一部2千円分に品質不良があったので、返品を受けた。

仕訳

(販売側:売上戻り

借方科目
貸方科目
売上戻り 2千 売掛金 2千

仕入側:仕入戻し

借方科目
貸方科目
買掛金 2千 仕入戻し 2千




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