役務原価
役務原価とは
役務原価の定義・意味など
役務原価(えきむげんか)とは、サービス業において、販売業の仕入勘定に相当する費用勘定をいう。
なお、損益計算書上の表示科目としての役務原価については次のページを参照。
損益計算書―経常損益―営業損益―営業費用―売上原価―役務原価
役務原価の範囲・具体例
サービス業では、通常、材料費は想定
役務原価=労務費(役務提供者の給与・手当等)+ 経費(旅費交通費など)
役務原価の決算等における位置づけ等
役務原価の財務諸表における区分表示と表示科目
損益計算書 > 経常損益の部 > 営業損益の部 > 売上原価 (> 役務原価)
会社計算規則
(損益計算書等の区分)
第八十八条 損益計算書等は、次に掲げる項目に区分して表示しなければならない。この場合において、各項目について細分することが適当な場合には、適当な項目に細分することができる。
一 売上高
二 売上原価
三 販売費及び一般管理費
四 営業外収益
五 営業外費用
六 特別利益
七 特別損失
区分表示
売上原価
表示科目
役務原価
販売業とサービス業の両方を行っている場合は、売上原価を「細分する項目」としては、仕入原価(販売業)とは区別して役務原価(サービス業)などと表示する。
つまり、損益計算書では具体的には次のようになる。
役務原価の会計・簿記・経理上の取り扱い
会計処理方法
役務収益よりも先に役務原価が発生した場合
仕掛品
サービス業において、役務収益よりも先に役務原価が発生した場合は、①発生した役務原価をいったん費用処理をし②その詳細が明らかになったときに仕掛品勘定を用いて記録をし③役務収益が実現したときに対応する役務原価を計上するという3つの会計処理が必要になる。
以下、次のサイトの仕訳例を参考にした。
簿記 改定のポイント – サービス業を営む会社の会計処理(役務収益・役務費用) | 商工会議所の検定試験 https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/revision/point/point_08
①役務原価が発生したとき
設計事務所が給料¥300,000と出張旅費¥160,000を現金で支払った。
給料手当 | 300,000 | 現金 | 460,000 |
旅費交通費 | 160,000 |
②役務原価の詳細が明らかになったとき
顧客から依頼のあった案件について建物の設計を行ったが、①のうち給料¥100,000と出張旅費¥30,000が当該案件のために直接費やされたものであることが明らかになった。
仕掛品 | 130,000 | 給料手当 | 100,000 |
旅費交通費 | 30,000 |
③役務収益が実現したとき
顧客より上記案件の料金¥250,000が普通預金口座に振り込まれた。
普通預金 | 250,000 | 役務収益 | 250,000 |
役務原価 | 130,000 | 仕掛品 | 130,000 |
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