住民税―法人住民税
法人住民税とは
法人住民税の定義・意味など
法人住民税(ほうじんじゅうみんぜい)とは、事業所の所在地の地方公共団体(都道府県と市区町村)が、法人に対して、法人の所得に応じた(正確には、法人税を課税標準とした)法人税割と均等(定額)な均等割を課税する、申告納税方式の地方税をいう。
法人住民税の分類・種類
法人住民税には、(都)道府県※に納める法人の道府県民税と市区町村に納める法人の市町村民税とがあり、それぞれ法人県民税、法人市民税とも呼ばれている。
- 法人県民税…都道府県に納める
- 法人市民税…市区町村に納める
※東京都の特別区内の法人は、法人都民税だけとなる。
法人住民税の位置づけ・体系(上位概念等)
住民税
地方公共団体(市区町村と都道府県)が個人と法人の所得に対して課す地方税(市町村民税と道府県民税)を住民税という。
このうち、個人の所得に対して課す住民税を個人住民税、法人の所得に対して課す住民税を法人住民税と呼んで両者を区別する場合がある。
ただし、税法上は、市町村民税と道府県民税との区別はあるが、個人住民税・法人住民税の区別はなく、法令上の正式な名称ではない。
住民税 | ||||
会社の納める税金
会社は、たとえば次のように、いくつかの税金を納める義務があり、法人住民税もそのうちのひとつである。
次のページも参照。
会社が納める税金 - 手続き・申請・届出・内容証明郵便など法律問題その他事務手順
法人住民税の構成内容・内訳
法人住民税は、各会社に均等に課せられる均等割額と法人税額に応じて課せられる法人税割額などの合計である。
したがって、赤字で課税所得が0円(赤字決算)であったとしても、法人住民税の均等割の部分だけは最低支払う必要がある。
なお、この点が、個人事業とは異なる点であり、会社を設立するデメリットのひとつとしてよく取り上げられている。
都道府県民税 | 均等割 | 資本金等に応じて課税される |
---|---|---|
法人税割 | 法人税額に応じて課税される | |
利子割 | 預貯金の利子に対して課税される。ただし、特別徴収 | |
市町村民税 | 均等割 | 資本金等と従業員に応じて課税される |
法人税割 | 法人税額に応じて課税される |
法人住民税の計算
法人住民税の法人税割の計算に必要な税率は各地方公共団体ごとに定められている。
詳細については次のページを参照。
法人住民税の申告・納税の手続き
法人住民税は法人事業税とあわせて申告することになっており、その申告・納税の時期は各地方公共団体ごとに定められている。
法人住民税の会計・簿記・経理上の取り扱い
会計処理方法
法人税・法人住民税(道府県民税と市町村民税)・事業税の一部は、一般的に同時に申告・納付が行われるので、会計上も法人税等として一括して処理する。
そこで、法人住民税の会計処理と具体的な仕訳の仕方については次のページを参照。
法人住民税の税務・税法・税制上の取り扱い
法人住民税の税額の確定方法
申告納税方式
法人住民税の申告と納付は、法人税と同様、会社が自分で課税標準と税額を計算し、その内容を所定の申告用紙で申告する(確定申告)とともに納税する申告納税方式が採用されている。
すなわち、法人税法の規定によって確定した決算書をもとに計算した法人税額をベースに、法人県民税用と法人市民税用の2つの申告書をそれぞれ作成して、課税標準と税額を確定し、2カ月以内に各都道府県(県税事務所)と市区町村に提出、納付しなければならない。
つまり、法人住民税の申告と納付は、法人税と同時に行われる。
なお、個人住民税については、市町村が道府県民税と市町村民税をあわせて賦課徴収する賦課課税方式が採用されている。
損金算入の可否―法人税法上
しかし、法人税法上は、法人住民税については、均等割、法人税割、利子割のいずれについても損金不算入とされている。
したがって、法人税の場合と同様、確定申告や中間申告などで納付した法人住民税のうち損金経理をした(損益計算書に計上した)金額については、すべて確定申告書の別表四で加算する必要がある。
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