決算手続き―会計ソフトウェアを使用する場合―会社の場合
会計ソフトウェアを使用する場合(会社)の決算手続き
はじめに
決算手続きについては、通常、手書き帳簿を前提にする伝統的な簿記論の立場からの説明がなされていることが多い。
そして、会計ソフトウェアを使用する場合は次のような特徴があるため、その決算手続きは手書き帳簿の場合とは異なってくる。
このページでは、会社で会計ソフトウェアを使用した場合の決算手続きについてまとめる。
なお、個人事業で会計ソフトウェアを使用する場合と異なる点は、確定申告書に添付する決算書類の種類である。
法人税の確定申告では、法人税申告書に、決算書類(会社法が規定する計算書類など)を添付して税務署に提出して行う。
そして、このうち決算書類には、定時株主総会の承認を受けた会社法上の計算書類(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書)など、次のようなものがある。
つまり、個人事業の確定申告では必要ない、次の3つの決算書類が必要となってくる。
1.決算予備手続き
1.1 残高試算表で入力を確認する
会計ソフトウェアを使用した場合、残高試算表は自動的に作成される。
試算表による仕訳の転記の正確性の検証は必要ないが、期末月の残高試算表により、入力漏れがないかなど入力ミスは確認する必要がある。
1.2 決算整理
会計ソフトウェアを使用した場合でも、決算整理は当然必要となる。
1.2.1 棚卸表の作成
1.2.2 決算整理仕訳
手書き帳簿では、決算整理後残高試算表や精算表を作成して、棚卸表を参考にしながら決算整理仕訳を行う。
しかし、会計ソフトウェアを使用している場合は、決算整理仕訳を入力するだけで、精算表の作成は省略されることが多い。
決算整理仕訳は通常の仕訳と区別して入力できる仕様になっている。
2.決算本手続き
2.1 会計ソフトウェアの各種設定
以上、決算処理をする前の作業が終わったら、会計ソフトウェア上で財務諸表を作成・印刷するための、各種設定を行う。
2.2 貸借対照表・損益計算書を作成・印刷する
会計ソフトウェアで貸借対照表・損益計算書を作成するためのコマンドを実行し、印刷する。
2.3 株主資本等変動計算書を作成・印刷する
株主資本等変動計算書は、当然、貸借対照表・損益計算書のように自動的には作成されず、会計ソフトウェア上で、純資産の部の係数変動の事由や金額を手入力して作成することになる。
2.4 勘定科目内訳明細書の作成
会計ソフトウェアで、設定をすることで比較的簡単に作成できる。
2.5 法人事業概況説明書を作成する
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