勘定科目内訳明細書(勘定科目内訳書)
勘定科目内訳明細書とは
勘定科目内訳明細書の定義・意味など
勘定科目内訳明細書(かんじょうかもくうちわけめいさいしょ)とは、貸借対照表や損益計算書などと並び、法人税の確定申告書(=法人税申告書)に添付しなければならないとされている確定申告書の添付書類としての決算書類のひとつで、決算書の主要な勘定科目ごとの詳細を記載したものをいう。
なお、日頃から帳簿等できちんと管理しておかないと、確定申告時にはこの勘定科目内訳書の作成に時間・労力がとられることになる。
勘定科目内訳明細書の別名・別称・通称など
勘定科目内訳書
勘定科目内訳明細書は勘定科目内訳書と略称されている場合もあるようである。
勘定科目内訳明細書の位置づけ・体系(上位概念等)
決算書類
法人税の確定申告は、法人税申告書に、決算書類(会社法が規定する計算書類など)を添付して税務署に提出して行うが、決算書類には勘定科目内訳明細書も含めて、次のようなものがある。
(株式会社の場合)
なお、法人税の確定申告に必要な書類については、次のページも参照。
確定申告―手続き―必要書類―株式会社の場合 - 税金―所得税法
勘定科目内訳明細書の目的・役割・意義・機能・作用など
税務署が決算書の詳細について知りたい場合、そのひとつひとつを事業所に問い合わせるのは煩雑である。
そこで、税務署の参考資料のひとつとして、主要な勘定科目の内訳を記載した勘定科目内訳明細書の添付が要求されている。
つまり、勘定科目内訳明細書は、貸借対照表や損益計算書のように、法人税額算定の基礎となる資料ではない。
勘定科目内訳明細書の法的根拠・法律など
法人税法施行規則
勘定科目内訳明細書は、法人税法施行規則第35条で規定されている。
法人税法施行規則
(確定申告書の添付書類)
第三十五条 法第七十四条第三項(確定申告書の添付書類)に規定する財務省令で定める書類は、次の各号に掲げるもの(当該各号に掲げるものが電磁的記録で作成され、又は当該各号に掲げるものの作成に代えて当該各号に掲げるものに記載すべき情報を記録した電磁的記録の作成がされている場合には、これらの電磁的記録に記録された情報の内容を記載した書類)とする。
一 当該事業年度の貸借対照表及び損益計算書
二 当該事業年度の株主資本等変動計算書若しくは社員資本等変動計算書又は損益金の処分表(当該事業年度終了の日の翌日から当該事業年度に係る決算の確定の日までの間に行われた剰余金の処分の内容につき他の号に掲げる書類にその記載がない場合には、その内容を記載した書類を含む。)
三 第一号に掲げるものに係る勘定科目内訳明細書
四 当該内国法人の事業等の概況に関する書類(当該内国法人との間に完全支配関係がある法人との関係を系統的に示した図を含む。)
…
勘定科目内訳明細書の具体例
勘定科目内訳明細書は、全部で次の16種類がある。
- 預貯金等の内訳書
- 受取手形の内訳書
- 売掛金(未収入金)の内訳書
- 仮払金(前渡金)の内訳書
貸付金及び受取利息の内訳書 - 棚卸資産(商品又は製品、半製品、仕掛品、原材 料、 貯蔵品)の内訳書
- 有価証券の内訳書
- 固定資産(土地、土地の上に存する権利及び建物に限る。)の内訳書
- 支払手形の内訳書
- 買掛金(未払金・未払費用)の内訳書
- 仮受金(前受金・預り金)の内訳書
源泉所得税預り金の内訳 - 借入金及び支払利子の内訳書
- 土地の売上高等の内訳書
- 売上高等の事業所別内訳書
- 役員報酬手当等及び人件費の内訳書
- 地代家賃等の内訳書
工業所有権等の使用料の内訳書 - 雑益、雑損失等の内訳書
勘定科目内訳明細書の歴史・沿革・由来・起源・経緯など
事業概況書
平成18年度の税制改正では確定申告書の添付書類として、事業概況書という様式が追加された。
勘定科目内訳明細書の書き方
勘定科目内訳明細書は、事業所で使用している勘定科目のうち、該当すると思われる勘定科目内訳明細書があればこれに記入する。
つまり、事業所で使用しているすべての勘定科目をもれなく勘定科目内訳明細書に網羅しなければならないということではない。
該当すると思われる勘定科目内訳明細書がなければ、記載不要である。
勘定科目内訳明細書の書式・様式
税務署にも専用の用紙があるが、国税庁のホームページからもダウンロードできる。
似てはいるが、勘定科目内訳明細書は総勘定元帳とは異なる。
したがって、普段から帳簿をつけていれば、自動的に勘定科目内訳明細書ができあがるというわけではない。
ただし、所定の様式と同様な項目があれば、自分で作成した様式で代用することも可能である(つまり、必ず、専用用紙を使用しなければならないということはない)。
たとえば、勘定科目内訳明細書のうち「売掛金(未収入金)の内訳書」という様式・書式では、「科目」「相手方(名称と所在地)」「期末現在高」「摘要」の4つが項目とされている。
このうち、「科目」という項目では売掛金、未収金、不渡手形などといった勘定科目を記載する。
そこで、「売掛金(未収入金)の内訳書」を作ることを最終的な目的として、普段記帳する売掛金元帳(売掛帳)といった補助簿(補助簿の中でも総勘定元帳の補助をする補助元帳)から自動的に集計して勘定科目内訳明細書が作成されるような仕組みをエクセル(Excel)などで作っておけば、決算時にもあわてなくてすむ。
これに今のところ完全に対応しているわけではないが、次のエクセルで作成したテンプレートなども参考。
ビジネス文書テンプレート(雛形)の無料ダウンロード: 売掛金元帳(売掛帳)-売掛金管理表一体型
上記テンプレートは売掛金管理を目的としているため、「売掛金(未収入金)の内訳書」にある「科目」という項目がない。しかし、少しアレンジすることで、「売掛金(未収入金)の内訳書」ソフトを作成することは可能である。
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