財政法―市中消化の原則
市中消化の原則とは
市中消化の原則の定義・意味・意義
市中消化の原則とは、国債の日銀引き受けが禁止されていることをいう。
財政法
第五条 すべて、公債の発行については、日本銀行にこれを引き受けさせ、又、借入金の借入については、日本銀行からこれを借り入れてはならない。
市中消化の原則の趣旨・目的・役割・機能
国債発行によるインフレの防止
発行した国債を日銀に引き受けさせると、日銀はただちに通貨を増発して支払うため、インフレが発生するおそれがある。
そこで、財政法は原則として国債を日銀が引き受けることを禁止し、民間金融機関に売却するものとする。
そして、そこから一般投資家に売却することで、市中の遊休資金を調達するという方法がとられる。
こうして民間にある利用可能な資金を使って国債を発行するのであれば(つまり、貯蓄の範囲内であれば)、新たな日銀券を発行する必要がなく、インフレが発生するおそれがないからである。
なお、以上のように国債の日銀引き受けの問題は国債発行によるインフレ発生を抑制するための財政政策の問題であって、マネーを増やす(金融緩和)ための金融政策の問題ではない(金融緩和の文脈で語られるべき問題ではない)。
市中消化の原則の位置づけ・体系
市中消化の原則は、財政法が「第一章 財政総則」で定めている国債の発行原則の一つである。
市中消化の原則も含めて、財政法は「第一章 財政総則」で、次のような国債の発行原則を定めている。
現在のページのサイトにおける位置づけ
現在のページが属するカテゴリ内のページ一覧[全 17 ページ]
- 国債
- 国債―国債発行の原則―建設国債の原則
- 国債―国債発行の原則―市中消化の原則
- 国債―分類―普通国債(利付国債・利付国庫債券)
- 国債―分類―普通国債(利付国債)―発行目的による分類―建設国債
- 国債―分類―普通国債(利付国債)―発行目的による分類―赤字国債
- 国債―分類―普通国債(利付国債)―償還期間による分類―中期国債
- 国債―分類―普通国債(利付国債)―償還期間による分類―中期国債―手続き
- 国債―分類―普通国債(利付国債)―償還期間による分類―長期国債
- 国債―分類―個人向け国債
- 国債―分類―個人向け国債―手続き
- 国債―消化―国債の日銀引き受け
- 財政法
- 財政法―租税法律主義の原則
- 財政法―均衡財政の原則
- 財政法―建設国債の原則
- 財政法―市中消化の原則
現在のページが属するカテゴリのサイトにおける位置づけ
- ホーム
- 経済学
- 基礎概念・基本概念
- 経済主体
- 経済主体―企業
- 経済主体―企業―分類―株式会社
- 経済主体―企業―分類―非営利法人
- 経済主体―企業―分類―非営利法人―一般法人
- 経済主体―企業―企業結合
- 貨幣・通貨
- 経済体制―市場経済(資本主義の前提)
- 経済体制―資本主義
- 経済体制―資本主義―資本
- マクロ経済―基本概念
- マクロ経済―国富と国民所得―国富(ストック)
- マクロ経済―国富と国民所得―国民所得(フロー)
- マクロ経済―国富と国民所得―国民所得(フロー)―GDP
- マクロ経済―景気変動
- マクロ経済―需要と供給
- マクロ経済―金融
- マクロ経済―金融―金融市場
- マクロ経済―金融―金融市場―役割―資金調達と資産運用
- マクロ経済―金融―金融市場―証券市場―株式市場―株式
- マクロ経済―金融―金融市場―証券市場―株式市場―株式―消却・併合・分割―株式分割
- マクロ経済―金融―金融市場―証券市場―株式市場―取引
- マクロ経済―金融―金融機関
- マクロ経済―金融―金融機関―中央銀行
- マクロ経済―金融―金融機関―市中金融機関
- マクロ経済―金融―金融機関―公的金融機関
- マクロ経済―金融―金融政策
- マクロ経済―財政
- マクロ経済―物価
- 経済事象の相関関係・原因と結果・因果関係
- 経済学