[経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)

勘定科目を体系的に分類し、仕訳の仕方等を解説した会計の実務的マニュアルです。


勘定科目―分類②―非人名勘定―名目勘定


名目勘定とは 【impersonal account

名目勘定の定義・意味など

名目勘定(めいもくかんじょう)とは、損益計算書勘定科目、すなわち、収益勘定費用勘定(または利益勘定損失勘定)の総称をいう。

参考:日本経済新聞社 『会計用語辞典』 日本経済新聞出版社、1978年、167頁。

名目勘定と関係する概念

反対概念・対概念
実在勘定

名目勘定の目的・役割・意義・機能・作用など

期間損益

名目勘定は期間損益を表す。

なお、名目勘定により、複式簿記の原則とされる貸借平均の原則が維持されることになる。

すなわち、複式簿記は、本来は増加した産(実在勘定)と減少した産(実在勘定)を左右に併記する(→取引の二重性)ことにより、均衡を保ち(→貸借平均の原則)、産を管理しようというものである。

参考:経過勘定って何だろう?【その2】 | 記帳代行ヘルパー税理士村上正城 http://www.kicho-helper.com/news/accounting/keikakanjyou2.html

たとえば、現金土地を買った場合、増加した産(土地)と減少した産(現金)は均衡し、貸借平均の原則が成り立つ。

したがって、特に貸借対照表における均衡性は決定的事実である。

リトルトン 『会計発達史[増補版]』 同文館出版、2002年、43項。

しかし、たとえば、安く仕入れ商品が高く売れた場合には、増加した産と減少した産の均衡性が破られ、貸借平均の原則が成り立たなくなる。

そこで、考え出されたのが名目勘定=損益計算書勘定科目であり、これにより貸借対照表損益計算書のすべての勘定を通して貸借平均の原則が維持されることになった。

名目勘定の位置づけ・体系(上位概念等)

勘定科目

勘定科目は、複式簿記の発展過程からは次の3つに大別される。

  1. 人名勘定
  2. 人名勘定
    1. 実在勘定実体勘定
    2. 名目勘定

…。「人名勘定」(personal account)と「非人名勘定」(impersonal account)という二分類、さらに、「非人名勘定」を「実在勘定」と「名目勘定」とに再分類するという本来的な勘定分類…

久野秀男 「「商品勘定」とは何だったのか」 『学習院大学 経済論集』第29巻第3,4号併合、1993年、287項。

また、次のように分類されることもある。

  1. 人名勘定債権債務勘定
  2. 商品勘定(非人名勘定
  3. 資本主勘定
    1. 資本勘定
    2. 損益勘定

…、以下本章では、単純な勘定記入がいかにして体系的な資本主義簿記に発展していったのであるかその過程を推定して概説しよう。

債権債務勘定人名勘定)に商品勘定(非人名勘定)が加わり、債権債務勘定商品勘定にさらに資本主勘定資本費用勘定)が加わった。こうして複式簿記の骨組が完成された。その後、基本的要素は一つも加えられてきていない。

リトルトン 『会計発達史[増補版]』 同文館出版、2002年、46項。

複式簿記の生成史上、周知の様に「債権・債務」の増減・変動を記録する「人名勘定」に始まり、次いで「現金勘定」と「実名諸商品勘定」が登場し、やがて「資本主勘定費用勘定を含む)」の出現によってこの記帳システムが完成の域に達する。

久野秀男 「「商品勘定」とは何だったのか」 『学習院大学 経済論集』第29巻第3,4号併合、1993年、289項。



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