勘定科目―注意点・ポイント
勘定科目の注意点・注意事項・ポイント
勘定科目に絶対的なルールはない
経理自由の原則
たとえば、所得税青色申告決算書に記載されているような、一般的に使用される勘定科目というものはある。
しかし、どの勘定科目を使用するかについての絶対的・一義的なルールはなく、必ず何々の勘定科目を使用しなければならないということはない。
たとえば、書籍を購入した場合には、一般的な新聞図書費のほか、業種・業態によっては消耗品にしても備品にしても雑費にすることも可能である。
つまり、大切なのは、売上がいくらあったかや、この支出は本当に必要経費なのか等ということであって、どの勘定科目なのかということではない。
…、勘定科目で間違っても仕方がないのです。そう気楽に考えてください。
たとえば、会社のためにハガキを買ったのに「通信費」とせず、「消耗品費」としてもいいではないか、と思いませんか? 税理士としてハッキリ申し上げておきますが、会社のために支払ったという事実が証明できれば、勘定科目などあまり関係ないのです。
吉田信康 『これならできる!小さな会社の経理』 ぱる出版、2005年、92頁。
同じ勘定科目を継続使用する
継続性の原則
ただし、このようにどの勘定科目を使用してもよいが、いったん選択した処理方法は原則として毎期継続的に適用する必要がある(→継続性の原則)。
取引のカテゴリ(分類・種類)である勘定科目が一定でないと、正確な集計(→決算書)や比較・分析(→経営分析。管理会計)等ができないからである。
必要に応じて勘定科目の作成・修正・削除等見直しをする
継続性の原則の例外
正当な理由により変更を行う場合
同じ勘定科目を継続使用するのが原則ではあるが、業態の変化等必要に応じて、適宜、勘定科目の作成・修正・削除等見直しを行うことも必要である。
たとえば、従来は回数・金額が少なく既存の科目に含めて記帳していた取引が業態の変化により回数・金額が増えた場合には、新しく勘定科目を作成するなどして別途管理する等。
できる限り特殊な名称は避け決算書の勘定科目名と統一する
また、どの勘定科目を使用してもよいが、できる限り所得税青色申告決算書などに記載されているような一般的な勘定科目を使用したほうが無難ではある。
勘定科目は、誰(特に投資家・債権者・税務署などの利害関係者)が見ても取引の内容がわかりやすい記録にするために必要とされるところ、あまりに特殊な勘定科目を使用するとこの目的を果たせないからである。
なお、期中取引に使用している勘定科目名と決算書の勘定科目名とが異なる場合は、決算時にこれを一致させるために組換表の作成(会計ソフトでは所定の設定作業)が必要となる。
補助科目の活用
勘定科目によっては、科目ごとに、さらに補助科目を設定することで、効率的・効果的な管理(たとえば、残高の確認のしやすさや詳細な経営分析等)が可能となる。
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