[経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)

勘定科目を体系的に分類し、仕訳の仕方等を解説した会計の実務的マニュアルです。


一括評価


(" 必要経費―引当金―貸倒引当金―貸倒引当金繰入限度額―一括評価 "から複製)

一括評価とは

一括評価の定義・意味など

一括評価(いっかつひょうか)とは、法上、貸倒引当金の繰入限度額の計算にあたり、当該金銭債権を(個々の債権の個別事情を考慮することなく)一括して評価することをいう。

一括評価の位置づけ・体系(上位概念等)

貸倒引当金の繰入限度額の計算方法

一括評価貸倒引当金の繰入限度額の計算方法のひとつである。

法(所得法・法人税法)では、貸倒引当金の設定に関して、個別評価によるものと一括評価によるものとに大別したうえ、それぞれに貸倒引当金の対象となる債権の範囲と貸倒引当金の繰入限度額を規定している。

  1. 一括評価一括評価貸金所得法)・一括評価金銭債権法人税法)が対象
  2. 個別評価個別評価貸金等所得法)・個別評価金銭債権法人税法)が対象

貸倒引当金の対象となる債権の範囲と繰入限度額

貸倒引当金の対象となる債権の範囲
一括評価貸金所得法)・一括評価金銭債権法人税法)

一括評価の対象となる債権は一括評価貸金所得法)・一括評価金銭債権法人税法)である。

なお、会計上は「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号)が定める一般債権に相当する。

貸倒引当金の繰入限度額

一括評価による貸倒引当金の繰入限度額の計算方法は次のとおりである。

所得

貸倒引当金の繰入限度額 = 年末における一括評価貸金帳簿価額の合計額 ✕ 一定の割合(金融業以外は5.5%、金融業は3.3%)

所得法施行令
一括評価貸金に係る貸倒引当金勘定への繰入限度額
第百四十五条 法第五十二条第二項 (貸倒引当金)に規定する政令で定めるところにより計算した額は、同項の居住者のその年十二月三十一日において有する一括評価貸金(同項 に規定する一括評価貸金をいう。以下この条において同じ。)の帳簿価額(当該一括評価貸金のうち当該居住者が当該一括評価貸金に係る債務者から受け入れた額があるためその全部又は一部が実質的に債権とみられないものにあつては、その債権とみられない部分の額に相当する額を控除した残額。次項において同じ。)の合計額に、その者の営む事業所得を生ずべき事業のうち主たるものが次の各号に掲げる事業のいずれに該当するかに応じ当該各号に掲げる割合を乗じて計算した額とする。
一  金融業以外の事業 千分の五十五
二  金融業 千分の三十三

法人税

貸倒引当金の繰入限度額 = 年末における一括評価金銭債権帳簿価額の合計額 ✕ 貸倒実績率(または法定繰入率

資本金1億円以下の中小法人では貸倒実績率法定繰入率との選択適用が認められている。

法人税法施行令
貸倒引当金勘定への繰入限度額
第九十六条
 法第五十二条第二項 に規定する政令で定めるところにより計算した額は、同項 の内国法人の当該事業年度終了の時において有する一括評価金銭債権(同項 に規定する一括評価金銭債権をいう。以下この項において同じ。)の帳簿価額の合計額に貸倒実績率(第一号に掲げる額のうちに第二号に掲げる額の占める割合(当該割合に小数点以下四位未満の端数があるときは、これを切り上げる。)をいう。)を乗じて計算した額とする。



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