洗替法(洗替え法・洗い替え方式・洗替え方式・洗替方式)
(" 棚卸資産(たな卸資産)―会計処理―棚卸資産の評価―②棚卸資産の評価基準―低価法(低価主義)―方式―洗替法(洗替方式) "から複製)
洗替法とは
洗替法の定義・意味など
洗替法(あらいがえほう)とは、決算整理において、期末商品の評価で低価法を適用する場合と貸倒引当金の設定を行う場合の会計処理の方法のひとつである。
棚卸資産の評価基準である低価法としての洗替法
低価法としての洗替法とは、商品の時価が原価(つまり、取得原価・帳簿価額)より低い場合には時価で商品を評価する(=低価法)が、この場合、前期の評価を戻し入れてあらためて評価をする方法をいう。
つまり、前期に時価が低いので時価で評価をし、その評価額を切り下げた場合であっても、今期の評価額を計算する際にはその分を全額戻し入れ、再度、実際の原価を基礎とする方式である。
貸倒引当金の設定方法としての洗替法
貸倒引当金の設定方法としての洗替法とは、前期の貸倒引当金の勘定残高がある場合、前期に計上した貸倒引当金は全額戻し入れ(取り崩し)、あらためて当期の貸倒見積額を全額繰り入れる(貸倒引当金を設定する)方法をいう(→貸倒引当金の設定方法)。
洗替法の別名・別称・通称など
洗替方式
洗替法の位置づけ・体系(上位概念等)
棚卸資産の評価基準である低価法としての洗替法
棚卸資産の評価基準である低価法には、洗替法のほか、切放法がある。
洗替法と切放法との違い
両者は、決算(期末)時点での仕分は同じであるが、決算後の翌期首の仕訳が異なる。
切放法では、期末時点の時価評価額をそのまま翌期以降についても帳簿価額とするため、再振替え仕訳は不要である。
これに対し、洗替法では、翌期首において、再度取得原価に戻すために、再振替え仕訳を行う。
貸倒引当金の設定方法としての洗替法
貸倒引当金の設定方法としては、洗替法のほかに差額補充法がある。
なお、税法上は、洗替法が原則とされている(→貸倒引当金の設定方法)。
会計・簿記・経理上の取り扱い
会計処理方法
使用する勘定科目・記帳の仕方等
貸倒引当金の設定方法としての洗替法
決算にあたり、貸倒引当金の設定に際して前年の貸倒引当金の勘定残高がある場合、その金額を貸倒引当金戻入額勘定(特別利益)の貸方に記帳して全額戻し入れて収益計上するとともに、あらためて今年度の貸倒見積額を貸倒引当金繰入額勘定の借方に記帳して費用計上する。
取引の具体例と仕訳の仕方
貸倒引当金の設定方法としての洗替法
決算にあたり、30万円の貸倒引当金を設定する。なお、設定前の貸倒引当金の勘定残高は25万円である。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
貸倒引当金 | 250,000 | 貸倒引当金戻入額 | 250,000 |
貸倒引当金繰入額 | 300,000 | 貸倒引当金 | 300,000 |
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