資産法
資産法とは
資産法の定義・意味など
資産法(しさんほう)とは、本年中の経費とはならない部分が含まれる可能性がある支出については、期中ではじめから資産計上しておき、月末または期末(決算)で消費した分等を徐々にまたは一括して費用化する(費用勘定に振り替える)会計処理をいう。
資産法の目的・役割・意義・機能・作用など
費用収益対応の原則
本年中に支払った経費のなかに翌年分以後の期間に対応する部分が含まれている場合は、費用収益対応の原則から、その部分の金額は原則として本年分の経費(税法上は必要経費または損金)とはならない。
つまり、当期は費用ではなく資産として扱い、次期以降に費用化することになる。ただし、重要性に乏しいものなどについては、継続適用を条件に費用処理(本年中の経費とする)することができる。
そこで、決算においては、これを当期の損益計算から除去する(当期の損益計算には含めない)とともに、貸借対照表の資産の部に計上する必要がある。
資産法が適用される範囲・具体例
資産法の位置づけ・体系
本年中に支払った経費のなかに翌年分以後の期間に対応する部分が含まれている場合の期中における会計処理としては、次の2つの方法がある。
- 費用法
- 資産法
実務上は、費用法が用いられる場合が多い。
なお、資産法というのは一般的な名称ではないようだが、この用語(概念)により前払費用や消耗品などの会計処理を統一して理解できるというメリットがあるように思われる(私見)。
また実際にこの名称・用語を使用している簿記のテキストもある。
『日商簿記3級 商業簿記 スピード攻略テキスト』 DAI-X出版、2004年、261項など。
資産法の会計・簿記・経理上の取り扱い
会計処理方法
期中(購入・取得時)
資産法で処理をする場合、期中に消耗品などを購入したときは、消耗品勘定などの資産勘定の借方に記帳する。
『日商簿記3級 商業簿記 スピード攻略テキスト』 DAI-X出版、2004年、261項。
期末(決算時)
決算整理仕訳
決算時に消耗品などの消費高を消耗品勘定などの資産勘定の貸方から消耗品費勘定などの費用勘定の借方に振り替える。
『日商簿記3級 商業簿記 スピード攻略テキスト』 DAI-X出版、2004年、261項。
翌期首
再振替仕訳
資産法の場合、期末において当期中に消費した分を費用に振り替えるので、翌期首において資産として繰り延べられた金額を費用に戻すために行われる再振替仕訳は必要ない。
『日商簿記3級 商業簿記 スピード攻略テキスト』 DAI-X出版、2004年、261項。
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