差額補充法
(" 貸倒れ―期末―貸倒引当金の設定―貸倒引当金の設定方法―差額補充法 "から複製)
差額補充法とは
差額補充法の定義・意味など
差額補充法(さがくほじゅうほう)とは、前期の貸倒引当金の勘定残高がある場合における貸倒引当金の設定方法のひとつで、貸倒見積額と貸倒引当金の勘定残高の差額を繰り入れる方法をいう。
『日商簿記3級 商業簿記 スピード攻略テキスト』 DAI-X出版、2004年、264項。
差額補充法の位置づけ・体系(上位概念等)
貸倒引当金の設定方法
前期の貸倒引当金の勘定残高がある場合、当期に貸倒引当金を設定する方法としては、差額補充法のほかに洗替法がある。
税法上は洗替法が原則とされている(→貸倒引当金の設定方法)。
会計・簿記・経理上の取り扱い
会計処理方法
使用する勘定科目・記帳の仕方等
決算にあたり、貸倒引当金の設定に際して前年の貸倒引当金の勘定残高がある場合、差額補充法で処理を行うときには、次の2つのケースがある。
①貸倒見積額が貸倒引当金の勘定残高よりも多い場合
貸倒見積額が貸倒引当金の勘定残高よりも多い場合は貸倒引当金が不足していることを意味するで、貸倒引当金繰入勘定(費用)を使用して、新たに貸倒引当金を繰り入れる(不足分を補充する)。
具体的には、次の計算式により算出された繰入額を貸倒引当金繰入勘定の借方に記帳するとともに、貸倒引当金勘定の貸方に記帳して増加させる。
②貸倒見積額が貸倒引当金の勘定残高よりも少ない場合
貸倒見積額が貸倒引当金の勘定残高よりも少ない場合は貸倒引当金が余分にあるということを意味するので、貸倒引当金戻入勘定(収益)を使用して、貸倒引当金を戻し入れる(余剰分を減少させる)。
具体的には、次の計算式により算出された戻入額を貸倒引当金戻入勘定の貸方に記帳して収益計上するするとともに、貸倒引当金勘定の借方に記帳して減少させる(取り崩す)。
取引の具体例と仕訳の仕方
①貸倒見積額が貸倒引当金の勘定残高よりも多い場合
決算にあたり、30万円の貸倒引当金を設定する。なお、設定前の貸倒引当金の勘定残高は25万円である。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
貸倒引当金繰入額 | 50,000 | 貸倒引当金 | 50,000 |
②貸倒見積額が貸倒引当金の勘定残高よりも少ない場合
決算にあたり、30万円の貸倒引当金を設定する。なお、設定前の貸倒引当金の勘定残高は35万円である。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
貸倒引当金 | 50,000 | 貸倒引当金戻入額 | 50,000 |
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