会計―特色―継続企業の前提(ゴーイングコンサーン)
継続企業の前提とは 【going concern】
継続企業の前提の定義・意味・意義
継続企業の前提とは、企業は将来にわたって事業を継続する(企業は継続企業である)という前提をいう。
現代の企業は、当座企業、すなわち当初のイギリス東インド会社のように1回の航海のためにお金を集めて貿易で稼ぎ、帰ってきたら解散して、お金を山分けするようなかたち
(『スラスラ読める簿記の本』(村形聡著)より引用)ではなく、そのほとんどが継続企業である。
継続企業の別名・別称・通称など
ゴーイングコンサーン
継続企業の前提はゴーイングコンサーン(going concern)とも呼ばれる。
”going”は「継続している」の意で、”concern”はここでは「事業;会社」の意
継続企業の前提の理論的根拠・基礎・基盤
株式会社
継続企業の前提がなければ、株式投資(配当金システム)は成立しえない。
株式会社は継続企業であり、したがって、株式によるその投下資金は一回の配当によって全損益が分配されるところの投機”venture”ではなくて、定期に果実が得られるところの長期投資”investment”である…
片野一郎訳『リトルトン会計発達史』同文館出版、1978年。
継続企業の前提の趣旨・目的・役割・機能
会計の前提
資本利益区別の原則、期間損益計算、そして、発生主義、取得原価主義、減価償却など、会計上の考え方・原則・制度等は企業が継続企業であることを前提にしている。
言い換えるなら、簿記は継続企業を前提とすることにより、会計へ進化したともいえる。
監査基準
公認会計士が財務諸表の監査を行うにあたって遵守すべき規範である監査基準についても、継続企業の前提を担保するための規定が設けられている。
監査基準の改訂に関する意見書(企業会計審議会報告)14年1月25日
…
6 ゴーイング・コンサーンへの対処
企業が事業を継続していくとの前提(ゴーイング・コンサーン)に問題があるような場合に、投資者としては、企業が存続の危機にあるかどうかを知りたいところであろう。企業の経営責任は経営者にあり、企業の存続を監査人として保証することはできないし、それは監査の役割を逸脱することになる。しかし、監査人にも何らかの対応が求められている。そこでまず、継続企業の前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況が存在する場合には、経営者が、その旨、当該事象等の内容、継続企業の前提に関する重要な疑義の存在、当該事象や状況に対する経営者の対応及び経営計画、当該重要な疑義の影響を財務諸表に反映しているか否かについて財務諸表に注記を行う。監査人は、そういった事象や状況の存在や経営計画等の合理性を検討し、必要な事項が適切に注記されているか否かにより財務諸表が適正かどうかの意見を表明する。ただし、監査報告書において企業の事業継続能力そのものを保証するような記述はされない。
また、継続企業の前提に係る財務諸表の注記が適切になされていると判断して、無限定適正意見を表明する場合であっても、そういった事象や状況等について監査報告書に追記情報として必ず記述を行わなければならないこととされている。
金融庁サイト:「広報コーナー 第18号」 http://www.fsa.go.jp/kouhou/kouhou_02/018_1402a.html
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