取引―分類―資本取引と損益取引―損益取引
損益取引とは 【profit-and-loss of capital】
損益取引の定義・意味など
損益取引(そんえきとりひき)とは、企業会計において、資本の運用等により事業のもうけである利益を変動させる取引をいう。
損益取引と関係する概念
反対概念・対概念
資本取引
損益取引の目的・役割・意義・機能・作用など
資本の間接的な変動
損益取引は資本取引以外の経営活動により資本を間接的に変動させる取引である。
損益取引の位置づけ・体系(上位概念等)
資本利益区別の原則
企業会計(簿記)の目的のひとつは、利害関係者に企業の財政状態(いくら資本が増えたのかという結果)のほか経営成績(どうやって資本が増えたのかという原因(資本の増減原因))を報告することである(→取引の二重性)。
この資本の増減要因には、次の2つがある。
- 資本取引
- 損益取引
そして、企業会計原則では、一般原則のひとつとして、資本取引と損益取引とを明瞭に区別すべきことを規定している(→資本利益区別の原則)。
たとえば、損益計算書の利益計算における収益と費用は、損益取引による資本の増加または減少をいい、資本取引による資産の増加または減少を含まない。
企業会計原則
第一 一般原則
…
三 資本取引と損益取引とを明瞭に区別し、特に資本剰余金と利益剰余金とを混同してはならない。
損益取引の性格・性質
損益取引による資本変動は、一会計期間において、企業が払った犠牲である費用と、その成果である収益によるものである。
つまり、収益から費用を控除したものが利益または損失となり、これが資本の変動額(増減額)となる。
これは「経営成績」として、企業の利害関係者にとって重要な意味をもつ。
損益取引の歴史・沿革・由来・起源・経緯など
資本取引から損益取引へ
複式簿記は、本来は増加した財産(実在勘定)と減少した財産(実在勘定)を左右に併記する(→取引の二重性)ことにより、均衡を保ち(→貸借平均の原則)、財産を管理しようというものである(→資本取引)。
参考:経過勘定って何だろう?【その2】 | 記帳代行ヘルパー税理士村上正城 http://www.kicho-helper.com/news/accounting/keikakanjyou2.html
たとえば、現金で土地を買った場合、増加した財産(土地)と減少した財産(現金)は均衡し、貸借平均の原則が成り立つ。
したがって、特に貸借対照表における均衡性は決定的事実である。
リトルトン 『会計発達史[増補版]』 同文館出版、2002年、43項。
しかし、たとえば、安く仕入れた商品が高く売れた場合には、増加した財産と減少した財産の均衡性が破られ、貸借平均の原則が成り立たなくなる。
そこで、考え出されたのが名目勘定=損益計算書の勘定科目であり(→損益取引)、これにより貸借対照表と損益計算書のすべての勘定を通して貸借平均の原則が維持されることになった。
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