損益計算書原則―収益の認識基準(計上時期・期間帰属)
収益の認識基準とは
収益の認識基準の定義・意味など
収益の認識基準(しゅうえきのにんしききじゅん)とは、収益をいつ計上するか(いつの時点で売上を計上するか・どの年の収益にするか)に関する基準をいう。
収益の認識基準の別名・別称・通称など
収益の計上基準・売上の計上時期・収益の期間帰属
収益の認識基準は、収益の計上基準、売上の計上時期、収益の期間帰属などさまざまな表現がなされている。
なお、税務上では、この問題を「収益の帰属時期」などと呼んでいる。
所得金額―所得の年度帰属―収入の帰属時期 - 税金―所得税法
収益の認識基準の目的・役割・意義・機能・作用など
適正な損益期間計算
会計は、決算書を作成して企業の財政状態と経営成績を、投資家・債権者(銀行などの金融機関や取引先)・税務署などの利害関係者に報告することを目的とする。
そして、適正な損益期間計算を行うためには、収益を適正な会計期間に帰属させること、つまり、収益の認識基準が重要となる。
節税対策・節税方法としての収益の認識基準
売上の計上時期の見直し
したがって、売上の計上金額をできるかぎり抑えることは、高い節税効果がある。
そして、売上の計上金額を抑える方法のひとつとして、売上の計上時期を遅らせるというものがある。
つまり、売上の計上時期を見直すことにより、売上を翌期に繰り延べることができる。
ただし、税法上、売上の計上時期については原則として継続適用が要求される。
したがって、売上の計上時期を変更するには、利益操作・租税回避が目的ではないことを合理的に「説明」できる理由が必要となる。
収益の認識基準の分類・種類
収益の認識基準に関する考え方には、大別すると、発生主義と現金主義という2つの考え方がある。
ただし、これに加えて、発生主義の枠内で収益の認識を一定時点まで遅らせる実現主義という考え方もある。
企業会計原則により、収益の認識基準は、原則として、実現主義によるものとされている。
企業会計原則
(営業利益)
…
B 売上高は、実現主義の原則に従い、商品等の販売又は役務の給付によって実現したものに限る。ただし、長期の未完成請負工事等については、合理的に収益を見積り、これを当期の損益計算に計上することができる
具体的な収益の認識基準には次のようにさまざまなものがある。
なお、以下のうち自分にあった合理的な基準を採用することができる。
1.発生主義
工事進行基準
2.実現主義
①販売基準
販売基準はさらに次のような具体的な基準に細分される。
②工事完成基準
3.現金主義
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