[経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)

勘定科目を体系的に分類し、仕訳の仕方等を解説した会計の実務的マニュアルです。


新株予約権


新株予約権とは

新株予約権の定義・意味など

新株予約権(しんかぶよやくけん)とは、新株予約権を処理するための資本勘定をいう。

法人・個人の別

法人

新株予約権は法人特有の勘定科目である。

新株予約権決算等における位置づけ等

財務諸表における区分表示表示科目

貸借対照表純資産新株予約権

区分表示
純資産

新株予約権純資産に属する。

純資産は次の3つに分類して表示される。

  1. 株主資本
  2. 評価・換算差額等
  3. 新株予約権

財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則
純資産の分類)
第五十九条  純資産は、株主資本評価・換算差額等及び新株予約権に分類して記載しなければならない。

なお、新株予約権は、将来、権利行使され払込資本となる可能性がある一方、失効して払込資本とはならない可能性もあり、権利行使の有無が確定するまでの間、その性格が確定しないことから、従来、仮勘定として負債の部に計上することとされていた。

しかし、新株予約権は返済義務のある負債ではなく、負債の部に表示することは適当ではないため、『貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準』(企業会計基準第5号)で純資産の部に記載することとされた。

会計基準 7頁。

表示科目

新株予約権は、新株予約権科目で表示する。

財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則
新株予約権の表示)
第六十八条  新株予約権は、新株予約権科目をもつて掲記しなければならない。

新株予約権会計簿記経理上の取り扱い

会計処理方法

使用する勘定科目・記帳の仕方等

新株予約権を行使して新株を取得するための費用は、新株予約権の発行価額と新株予約権の権利行使価額の合計額となる。

新株予約権を発行したとき

新株予約権を発行したときは、新株予約権の発行に伴う払込額を新株予約権勘定貸方に記帳する。

取引

新株予約権2000万円を発行し、発行価額が普通預金に払い込まれた。

仕訳

借方科目
貸方科目
普通預金 20,000,000 新株予約権 20,000,000

新株予約権が権利行使されたとき

新株予約権の権利行使による株式の交付の方法としては新株発行または自己株式の処分(移転)がある。

新株発行の方法による場合

新株予約権が権利行使されたときは、その行使分の新株予約権の発行に伴う払込額と新株予約権の権利行使に伴う払込額を資本金資本準備金勘定貸方に記帳して振り替える。

取引

新株予約権のうち1000万円が行使され、権利行使価額2000万円が普通預金に払い込まれた。なお、その全額を資本金とした。

仕訳

借方科目
貸方科目
新株予約権 10,000,000 資本金 30,000,000
普通預金 20,000,000

新株予約権務・法・制上の取り扱い

消費税の課・非課・免・不課(対象外)の区分

不課税取引課税対象外)

消費税法上、新株予約権不課税取引として消費税の課税対象外である。



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