［経済］簿記勘定科目一覧表（用語集）

償却債権取立益

償却債権取立益とは

償却債権取立益の定義・意味など

償却債権取立益（しょうきゃくさいけんとりたてえき）とは、前期以前に貸倒れ処理をしていた債権を回収した場合、その金額を処理するための収益勘定をいう。

償却債権取立益の目的・役割・意義・機能・作用など

前期以前に貸倒れとして費用処理した債権が当期に回収できた場合、過年度においてすでに貸倒れとして計上した貸倒損失勘定（費用）を減少させることなどはできないので、当期にこれを収益として処理するためには、別途独立の勘定科目が必要となる。

償却債権取立益の位置づけ・体系（上位概念等）

当期に貸倒れ処理した債権を回収した場合

貸倒引当金・貸倒損失

当期に貸倒れとして処理した債権を回収した場合は、本勘定を使用するのではなく、取り崩した貸倒引当金や費用として計上した貸倒損失を取り消す処理（貸倒れの際の反対仕訳）を行えばすむ。

償却債権取立益の決算等における位置づけ等

償却債権取立益の財務諸表における区分表示と表示科目

損益計算書 ＞ 特別損益の部 ＞ 特別利益 ＞ 償却債権取立益

貸倒引当金戻入勘定と同様、過年度の損益修正という性質を有するので、特別利益に計上する。
ただし、回収額が僅少の場合は、営業外収益に計上することもできる。

償却債権取立益の会計・簿記・経理上の取り扱い

会計処理方法

使用する勘定科目・記帳の仕方等

前期以前に貸倒れとして費用処理をした債権を回収した場合は、償却債権取立益勘定の貸方に記帳する。

なお、収益として計上する金額は、貸倒れとして経費処理した金額ではなく、実際に、回収できた金額となることに注意。

取引の具体例と仕訳の仕方

前期に貸倒れとして処理していた売掛金（10万円）の一部3万円を現金で回収した。

借方科目	金額	貸方科目	金額
現金	30,000	償却債権取立益	30,000

却債権取立益の税務・税法・税制上の取り扱い

消費税の課税・非課税・免税・不課税（対象外）の区分

控除過大調整税額

償却債権取立益は、収益計上した事業年度の売り上げに係るものではないため、控除過大調整税額として処理する。