[経済]簿記勘定科目一覧表(用語集)

勘定科目を体系的に分類し、仕訳の仕方等を解説した会計の実務的マニュアルです。


保険差益


保険差益とは

保険差益の定義・意味など

保険差益(ほけんさえき)とは、保険金額が確定してその通知を受けた場合において確定した保険金の額が帳簿価額より高いときに、その差額を処理するため収益勘定をいう。

保険差益の範囲・具体例

たとえば、保険契約を締結していた建物などの有形固定資産が火災などの災害により滅失した場合、保険会社保険金額の支払いが確定するまでは一時的に未決算勘定を用いて会計処理を行うが、保険金額が確定し確定した保険金の額が帳簿価額(未決算勘定)より高いときたときには本勘定収益に計上する。

保険差益の決算等における位置づけ等

保険差益の財務諸表における区分表示表示科目

損益計算書特別損益の部 > 特別利益 > 保険差益

区分表示
特別利益

保険差益は特別利益に属する項目として表示する。

企業会計原則注解
〔注12〕特別損益項目について
 特別損益に属する項目としては次のようなものがある。
(1) 臨時損益
 イ 固定資産売却損
 ロ 転売以外の目的で取得した有価証券の売却損益
 ハ 災害による損失

表示科目
保険差益

特別利益に属する項目は保険差益などの科目に細分して表示しなければならない。

会社計算規則
損益計算書等の区分)
第八十八条  …

 特別利益に属する利益は、固定資産売却益前期損益修正益、負ののれん発生益その他の項目の区分に従い、細分しなければならない。

保険差益の会計簿記経理上の取り扱い

会計処理方法

使用する勘定科目・記帳の仕方等

保険差益に関する会計処理や具体的な仕訳の仕方などについては、次のページを参照。

有形固定資産の滅失

保険差益の務・法・制上の取り扱い

益金算入の肯否

法人税法上は、資本取引以外の純資産増加の原因となる一切の収益益金に算入されるので、保険差益も益金として課税対象になる。

法人税
(各事業年度所得額の計算)
第二十二条  …
 内国法人の各事業年度所得額の計算上当該事業年度益金の額に算入すべき額は、別段の定めがあるものを除き、資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引資本取引以外のものに係る当該事業年度収益の額とする。

消費税の課・非課・免・不課(対象外)の区分

不課税取引課税対象外)

保険金保険事故の発生により受けるものであり、資産の譲渡等の対価に該当しないので、消費税法上、保険金の受領は不課税取引として消費税の課税対象外である。

圧縮記帳

保険差益が発生した場合、所定の要件を満たすときは、圧縮記帳という課の繰延措置を受けることができる。



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  11. 保険差益
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